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税務処理の基礎知識

確定申告が2021年4月15日まで期限延長!2020年分からの変更点とは?

2020年分の所得税の確定申告受付が2021年2月16日に開始されました。当初の予定では、3月15日が申告期限でしたが、「緊急事態宣言」を受けて期限が1ヶ月間延長となり、4月15日までと決まりました。
今回は、2020年分から変更された点について分かりやすくご紹介します。

オンライン活用で自宅からでも申請可能に

国税庁は、感染リスクを軽減するため、「e-Tax」の利用を推奨しています。e-Taxとは、インターネットを利用して、スマホやパソコンで、自宅にいても申告や納税の手続きができるサービスです。
スマホでは、「マイナポータルAP」というアプリを利用して申請することができます。パソコンからは、Google Chrome、Microsoft Edge、Safariなど、ほとんどの主要ブラウザで申請が可能です。

確定申告会場への入場は「入場整理券」が必要

確定申告会場への入場には、入場できる時間枠が指定された「入場整理券」が必要となりました(作成済み申告書の提出のみの場合は、入場整理券は必要ありません)。また、入場整理券には、「当日配付」と「事前発行」の2種類の配布方法があります。
「当日配布」の場合は、当日に確定申告会場で配布されるのですが、一つ注意点があります。混雑緩和のため、入場整理券の配布状況によっては、入場できないことがあるのです。その場合、後日また確定申告会場へ行かなければならず、二度手間になる可能性があるので注意が必要です。
「事前発行」の場合、LINEで入場整理券を取得することができます。以下の4つの手順で簡単に取得することができます。
①国税庁LINE公式アカウントを友だち追加
②「トーク」画面から「相談を申し込む」を選択
③来場希望日時を選択
④「申込」をタップ
「申込完了画面」を入場時に提示すれば、入場することができます。

源泉徴収票が提出不要に

サラリーマンは、通常会社が年末調整を行い所得税の調整を行うので、確定申告は必要ありません。
しかし、サラリーマンでも、所得2000万円を超える人や、副業をしている人、医療費控除などの一部の控除を受けたい人などは年末調整の対象とならないので確定申告をする必要があります。
確定申告をする際、以前であれば給与の支払総額や源泉徴収額などを確定申告書に記載し、これを証明する源泉徴収票を添付しなければなりませんでした。2020年分の確定申告では、源泉徴収票の添付が不要となっているのです。
源泉徴収票の添付が不要になったからと言って、源泉徴収票を処分してしまってはいけません。確定申告書に金額を記入する際には、源泉徴収票を見ながら書くことになるので、源泉徴収票は大切に保管しておきましょう。

4月16日以降も、申告・納付期限の個別延長があります

昨年の確定申告と同様に、申告書の右上の余白や、e-Taxを用いる場合は所定の欄に、「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と記載することで、個別に期限延長することが可能となります。
個別延長の対象となるのは、以下のような場合です。
・緊急事態宣言が発出されていて、外出自粛が求められている場合
・納税者や経理担当の事業専従者が、感染症に感染した、又は感染症の患者に濃厚接触した事実がある場合
・税理士や経理担当者が新型コロナウイルス感染症に罹患するなどして申告期限までに申告することが難しい場合
・納税者や法人の役員、経理責任者などが、現在、外国に滞在しており、ビザが発給されない又は、そのおそれがあるなど入出国に制限等がある場合
個別に期限延長を申請した場合には、申告等ができないやむを得ない理由等について、税務署から連絡が来て、質問される場合もあります。

早めの申告を

確定申告の期限が過ぎてしまうと、いくつかのペナルティが課されることになります。期限が伸びても、早めの申告を心掛けましょう。
また、確定申告会場に行って確定申告をする場合は、混雑が予想されます。LINEを使って、事前発行の入場整理券を獲得しておくことをお勧めします。