COLUMN

コラム

消費税と経理実務

創業してすぐから経理を専門家に任せることこそが会社発展の重要なカギです

創業したての頃は、できるだけ支出を押さえたいもの。
自分でできることは自分でやろうと、さまざまな事柄を勉強される経営者様も多くいらっしゃいます。
経理や税務処理などの知識もそのひとつです。

しかしズバリと申し上げますが、経理を外注している会社様と経営者様ご自身で全て行おうとしている会社様を比べると、外注している会社様の方が圧倒的に業績は伸びます。
なぜなら、ビジネスに割ける時間に明確な差があるからです。
経理処理に使っている時間を外回りの時間にあてたら、一体何件訪問することができるでしょうか?
飲食店であれば、新メニューの研究にどれだけその時間をあてられるでしょうか?
今回は、「経理を専門家に任せることがいかに会社のためになるか」ということについて解説いたします。

◎経営者様の時間をできるだけビジネスにあてるために

創業してすぐ、とは言うけれど、具体的にいつから外注すればいいのか?と疑問に思う方もいると思います。
その答えは、「早ければ早いほどよい」と言えるでしょう。
例えば最初の1ヶ月間は自分でできるか試してみよう、というチャレンジ精神は、経営者様にとって大切な要素の一つではありますが、会社にとっては得策ではありません。

仮に最初の数ヶ月は、ご自身で経理処理が可能だったとします。
しかし事業が発展し、忙しくなるにつれて、どんどん経理に割ける時間は少なくなってきます。
そこで「経理を外注しよう」と考えられる人は、実はそう多くはありません。
「明日やろう」「暇ができたらやろう」がどんどん積み重なり、気づいた頃には領収書の日付と自分の予定を一つずつ照らし合わせながら、時間をかけて経理処理をする羽目に陥る可能性もあります。

その状態のまま、決算の時期に突入してしまったら。
考えただけで恐ろしくはありませんか?

確かに経理を外注すると、その分の費用が発生します。
会社の規模や依頼する内容にもよりますが、その金額は2~3万円ほどが相場です。
高いと思うか意外と安いと思うかは人それぞれだと思いますが、経営者様ご自身で経理処理を行おうとすると、場合によっては一日つぶれかねません。
もし自分の力だけではどうにもできなくなって、決算直前に慌てて専門家の下に駆け込んだ場合、内容によってはより多額の費用がかかる場合もありえます。

仮に経営者様の時間を時給に換算した時に、自分で経理処理を行った結果2~3万円の外注費分の元がとれるか、と考えると、答えはNOです。
もし創業したてであまり売上がないから、まだ自分の時間給は低いと考えているのであれば、「もしその一日を仕事にあてていたら、売上があがったかもしれない。もしくは契約がとれたかもしれない」と考えてみてください。
売上をあげたいと思えば思うほど、できるだけ早く経理を外注することを考えるべきなのです。

その理由は、経理に使っていた時間をビジネスに使えるからだけではありません。
完全なる外部の委託先ができることで、「失敗ができない」という緊張感が生まれることも理由のひとつ。
全て自社でまかなっているうちはどうしても甘えが生まれてしまい、なかなか売上げアップにつながらないのです。
売上を少しでも早く上げるためにも、ビジネスの時間を圧迫するような面倒な処理は、積極的に外注してしまいましょう。

◎税法上の落とし穴に落ちることも防げる

経理処理を行っていく上で、税法は切っても切り離せない関係にあります。
よく知らないままに個人で処理を進めていくと、節約できたはずの税金を支払ってしまうことになりかねません。

例えば、役員報酬について。
税法に細かい規定があり、その規定を知らずに自由に報酬額を決定してしまうと、多額の法人税を支払わなければならなくなることがあります。
事前に専門家に頼んでおけば、そのような落とし穴に落ちることを未然に防げるのです。

節約のために専門家に依頼しなかった結果、その節約した金額以上の税金を支払うことになってしまっては、本末転倒ですよね。
役員報酬などは、会社規模の大きさに関わらず、設立当初から常につきまとう問題です。
経理や税務処理の専門家の中でも、税理士は会社の経営を鑑みた最適な判断をすることができます。
創業融資や税務調査など、経営上の様々な問題に対して力になってくれるはずですので、ぜひ依頼を検討してみてくださいね。