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消費税と経理実務

個人事業の法人成りと人件費

前回は新規で会社を設立し免税事業者となるためにはどうすればよいかについてご紹介しましたが、今回は個人事業を立ち上げてできるだけ長く免税事業者でいる方法をご紹介します。業種などによって例外もありますが、基本的には事業者にとっては免税事業者でいる方が色々とメリットがありますよね。免税事業者になるには様々な条件がありますが、例えば個人事業で1年目、2年目は免税事業者になったけれど、3年目で免税事業者になってしまうという場合でも、まだ免税事業者でいられる方法があるのです。

◎3年目から法人になる

その方法は、3年目から法人になるということ。そして法人が免税事業者になる条件を2年間満たせば、個人事業2年間+法人2年間の合計4年間免税事業者になることができるのです。おさらいになりますが、法人が免税事業者になる条件は前回お伝えした通りです。
個人事業から法人になれば、将来的に会社の規模が大きくなってくる可能性はありますよね。そうすれば当然雇用する従業員の数が増える可能性もあるでしょう。そこで再度確認しておきたいのが、人件費である給与と報酬の違いです。

◎知っておきたい給与と報酬の違い

<給与・賞与>
「雇用契約」に基づく労働の対価で、消費税がかかりません。雇用契約とは、事業主の指揮命令下で勤務時間や勤務場所を指定されて行う契約です。
<報酬>
「請負契約(委任契約の場合もある)」に基づくサービス提供の対価で、消費税がかかります。請負契約とは自己の危険負担で依頼された仕事を完結する契約です。
<雇用契約か請負契約かの判断>
契約がこの2つのどちらになるか判断される基準は、「その仕事が誰にでもできて、事業者の指揮監督を受け、仕事が完結できなくても報酬をもらえ、仕事をするための材料や用具、交通費などを事業者が用意して負担しているかどうか」にあります。一般的にはこれを満たせば雇用契約、満たさなければ請負契約と判断されます。

◎給与・賞与を報酬にする節税方法には要注意!

例えばサービス業のような労働集約型の事業では、売り上げの預かった消費税は多くなりますが、人件費には消費税がかからないので支払った消費税は少なくなりますよね。そこで消費税の納税額が多くなるのを避けるため、節税方法の一つとして消費税のかかる給与・賞与を消費税のかからない報酬(外注費)にするという方法があります。しかしこれは財務検査で否認され、トラブルが多発していますので注意が必要です。

◎消費税のかかる派遣を活用しよう

自社の従業員を新しく設立した別会社に移籍させ、その会社から社員(元従業員)を派遣させて消費税のかからない給与を消費税のかかる派遣料(外注費)にするという方法も、消費税の節税に有効な場合があるので検討してみるとよいでしょう。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。