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消費税と経理実務

適用者に条件あり。「簡易課税方式」を選択できるのは?

以前、消費税の申告方法として「本則課税方式」と「簡易課税方式」をご紹介しましたよね。実務の面から考えると、少々やっかいな「本則課税方式」に対し、みなし仕入率という事業別のパーセンテージをつかう「簡易課税方式」の方が、簡単に消費税額が求められるという利点がありました。これだけ聞くと、どの事業者も「簡易課税方式」を採用するとなりそうなもの。しかし実はどの事業者でも簡易課税を採用できるわけではないということをご存知ですか?今回はそんな簡易課税についてもう少し詳しくご紹介しましょう。

◎どうして簡易課税が選択できない人がいるのか

もともと、簡易課税方式は中小事業者の事務負担を軽減するための制度なのです。よって中小事業者でなければ選択することができません。その条件などは以下の通りです。
・条件…基準期間の課税売上高が5000万円以下の課税事業者
・手続き…「消費税簡易課税制度選択届出書」を所轄税務署に提出する
・届出の提出期限…原則として簡易課税を適用しようとする課税期間開始の日の前日まで
・適用開始時期…届け出た次の課税期間から

◎簡易課税適用の注意点とは?

簡易課税適用における一番の注意点は、いったん簡易課税を選択したら、2年間は適用しなければいけないということです。
<適用期間>
最低2年間で、それ以降は「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を所轄税務署に提出されない限り、効力があります。
<本則課税に切り替えたい時>
「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を所轄税務署に届け出ます。
<簡易課税適用の業者が基準期間の課税売上高が5000万円超になった場合>
「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を提出しなくても、自動的に本則課税となります。また次の課税期間に基準期間の課税売上高が5000万円以下になった時は、再び簡易課税が適用できます。

このように、簡易課税方式は中小事業者の事務負担を軽減するための便利な制度ですが適用期間などに規定があるため、それらの点をしっかりと把握して適用を受ける必要があります。

ちなみに、簡易課税は事業別のパーセンテージをつかっているため、場合によっては本則課税方式より多くの消費税を支払わなければならないのも注意点です。支払った消費税の方が多くなる見込がある年は、本則課税方式を採用した方が節税できる可能性が高いのです。ただし、二つの方式を自由に切り替えることができるわけではないので、現状と将来を見据えて、適切な方式を採用したいものですね。
なお方式の変更を行う際には、切り替えに伴う経理処理の煩雑化が・・・。特に、決算・申告に向けての作業は前年度とは大きく変わり、お悩みになることも多いと思います。当事務所では、法人の決算であれば、「単発決算代行」サービスにて、個人事業主の確定申告であれば「確定申告・丸投げ専門」サービスにて、サポートしていますので、ご相談くださいね。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。

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