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コラム
商品やサービスの売買があれば、当然そこに「支払った消費税」と「預かった消費税」が混在しますね。消費税の流れは基本的に「最終消費者が消費税を負担し、流通各段階にいる事業者が納める」という流れになっています。よって最終消費者は直接国や都道府県、市区町村に納税しているのではなく、事業者に消費税を支払い預かってもらっているという状態になります。少しややこしいので、今回は例を交えてご紹介しましょう。
例えばA社がB社から商品を購入したとしましょう。すると当然のことですが、A社が支払った消費税とB社が預かった消費税はイコールになりますよね。それは例えばある商品が最終消費者に到達するまで、原材料や加工など様々な製造者や業者が介入したとしても同じです。よって最終消費者が支払った消費税は、その商品の製造過程に関わったすべての製造者や業者が、売買の差額を経て分散して納税することとなります。今回は生地から服が作られてお店に並び、消費者に売れるまでを例にあげて考えてみましょう。(分かりやすくするため、例は単純化しています)
生地会社A社が生産した生地をアパレルメーカーB社に108万円(うち消費税8万円)で販売
→アパレルメーカーB社は購入した生地を元に服を100着製作してアパレルショップC社に216万円(うち消費税16万円)で販売
→アパレルショップC社は会社員Dさんたち100人に100着の服を総額324万円(うち消費税24万円)で販売
・A社が支払った消費税…ゼロ ・A社が預かった消費税…8万円 → 納税する消費税…8万円
・B社が支払った消費税…8万円 ・B社が預かった消費税…16万円 → 納税する消費税…16万円ー8万円=8万円
・C社が支払った消費税…16万円 ・預かった消費税…24万円 → 納税する消費税…24万円ー16万円=8万円
・Dさんたち100人が支払った消費税…24万円 ・預かった消費税…ゼロ
最終消費者である会社員Dさんたちが支払った消費税24万円は、売買の差額を経てA社、B社、C社がそれぞれ8万円ずつに分散して納税していることになりますよね。このようにその商品の製造過程に携わった製造者や業者が多ければ多いほど、分散されて納税されます。何気なく支払うことも多い消費税ですが、製造過程から納税までのしくみを知ると、様々なところで納税されていることが分かりますね。
今回は消費税の流れについてお話させていただきました。消費税は身近な税の一つですが、実は事業者の立場からするとなかなか複雑なもの。預かった消費税と支払った消費税を正しく把握しておかないと、いざ決算・確定申告というときにも多大な苦労が生じます。もし、今回の決算・確定申告を自社で・自分で行うには時間がない・・・というお悩みがありましたら、当事務所にご相談ください。法人決算向けの「単発決算代行」サービスと、個人事業主等の確定申告向けの「確定申告・丸投げ専門」サービスを行っておりますので、煩雑な税務処理を的確に片付けさせていただきます。
※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。