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会社設立の流れと設立書類ひな形

「個人の実印」と「会社の実印」の二つの印鑑が会社設立には必要②

会社の実印について

会社の実印の登録先は個人の場合と異なり、会社の本店所在地を管轄する法務局になります。会社設立の登記を申請するときに、一緒に法務局に登録します。登記の際に提出する書類に会社の実印を押さなければならないので、それまでに印鑑をつくっておきましょう。

会社の実印は、個人の実印と同様に本人(代表者)確認と本人の意思確認の意味をもちます。登記の申請や契約書、株主総会議事録など、重要書類に押す大事な印鑑です。
会社の場合は、個人よりも大きな契約を行うことが多いので、不正使用された場合の危険は大きなものです。業務形態にもよりますが、代表取締役以外の人が簡単に使用できないよう、厳重な保管体制をつくっておくことをお勧めします。

会社の実印の決まり

個人の実印は比較的自由度が高いのですが、会社の実印には、大きさや決まりごとがあります。
会社の実印の大きさには制限があり、辺の長さが1cmを超え、3cmの正方形に収まるものでなければなりません。また、印鑑は照合に適するものでなくてはいけないので、外枠が欠けていたり、印影が不鮮明なものは会社の実印には不向きです。これらの要件を満たしていれば、四角や三角の形でも可能ですが、一般的には丸型の印鑑が用いられています。
会社の実印には、会社名は必須ではないので、代表取締役の個人の印鑑を会社の実印として登録することもできますが、混乱を避けるためにも、「会社と個人の印鑑は別々に作成し、会社名が入っているものを会社実印とする」ようにしましょう。
会社も印鑑の実印登録をすれば、個人のときと同様、「印鑑カード」が法務局から発行されます。「印鑑カード」は、会社設立の登記が終わってからでなければ発行されないので、「印鑑証明書」も会社設立の登記が終わってからでないと取得できません。

会社の印鑑の種類

会社の印鑑には、「会社実印」「銀行印」「角印」があります。登記の際には実印しか使いませんが、後々のことを考えてセットでつくっておくと便利ですね。

銀行印は、会社名義の銀行口座をつくるとき、手形や小切手取引するときに必要です。大きさに規定はありませんが、実印と同じかひと回り小さいものがお勧めです。
角印は、会社の認印のようなもので、見積書・請求書・領収書に押したり、日常業務に使用します。
またゴム印は、会社の住所、商号、代表取締役名、電話番号、FAX番号などが記載されている印鑑です。住所、商号、代表取締役名など、それぞれが分かれていて自由に組み合わせて使えるものがよいでしょう。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。