COLUMN

コラム

顧問税理士の選び方

よい税理士選びのポイント

会社の経営を円滑に進めるためには、よい税理士選びは必須と言えます。
なぜなら、よい税理士は税のエキスパートであると同時に、経営の方向性に悩んだ際に的確なアドバイスをする相談役にもなってくれるからです。
しかし税理士事務所の数は多く、どのように選べばいいのか悩まれることでしょう。
最も大事なのは、いかに会社様に寄り添ったサポートをしてくれる税理士かどうかです。
そんなよい税理士を見つけるためのポイントをいくつかご紹介します。

◎まずは「この人と仲良くできるか」と考えてみる

税理士と経営者様は、コミュニケーションをとりながら二人三脚で税務処理を進めていくことになります。
様々なやりとりをこれから先続けていく、と考えた際に不安を覚えるようでしたら、その税理士に依頼するのはやめておいた方がいいかもしれません。
例えば高圧的な態度をとっていたり、こちらからの質問を受け付けないような態度をとっている税理士とは、好んで連絡をとりたいとは思いませんよね。
税理士は「先生」と呼ばれることが多くありますが、だからといって立場が上というわけではないのです。

気持ちを汲み取りながら話したり、「会社様のためになろう!」という気持ちが感じられたりする税理士は、この先も親身になって相談に乗ってくれる可能性が高いです。
その判断をするためにも、ぜひ実際に会って話を聞いてみてください。

◎豊富な税務知識を持っているか

もちろんただ仲良くできそうかどうかだけで判断するのは非常に危険です。
税理士は税金のプロフェッショナルなので、豊富な税務知識を持っているかどうかも重要なポイント。
また、知識を持っていたとしても、実務に活かせていなければ意味がありません。

専門知識を持ち、実務にも活かしている税理士は、「節税」を強く意識しています。
税務処理の中には、数パターンの処理方法があるものが多く存在しています。
節税に有効な特例や法律を知り、どの方法がどのような効果をもたらすかを説明し、会社様の経営を鑑みながらどの選択が一番有益かを説明できる税理士は、よい税理士と言えるでしょう。

また、法律は頻繁に改正が行われるため、勉強を怠らず続けているかどうかも大切なポイントです。
中には昔のままで法律知識が止まってしまっており、新しい処理方法をよく知らなかったり、現状の会社様では損になるような選択を推奨してしまう税理士も存在しています。

ただ、「どれだけ節税を意識しているか」「勉強を続けているか」を一経営者が判断するのは非常に難しい問題です。
ではどのように判断すればよいのでしょうか?

そこでおすすめなのが、「最近一番インパクトのあった法改正は何ですか?」と質問してみることです。
この質問をされて、きちんと答えが返ってくる税理士は、勉強を続けていると判断してよいでしょう。
もし内容が気になるのなら、答えの内容をメモにとり、後でその内容が正しいものだったか、いつ頃改正されたのかを調べてみてもよいと思います。
インパクトのあった法改正と聞かれて答えるぐらいですから、検索するだけで比較的簡単に見つかるはずです。

◎助成金や補助金、融資の情報もきちんと持っているか

「税金の専門家である税理士は税金の知識だけを持っていればいい」と考えている税理士は確かに存在します。
しかし税務処理だけでなく、会社様の経営の相談に乗ることも税理士の重要な仕事の一つです。
真に会社に寄り添い経営を考えている税理士であれば、助成金や補助金、銀行融資についての知識も持ち合わせていなければなりません。

特に中小企業にとって助成金や補助金、銀行融資についての情報は非常に重要です。
助成金の専門家は社労士ですが、社労士と税理士を両方雇える余裕のある企業は、中小企業においてはそう多くありません。
税理士は社労士のように助成金関連書類の作成などは行えませんが、助成金や補助金、銀行融資などの情報を役立つ知識として提供することはできます。

会社様の経営に関わる全ての情報に目を配らせて、有益な情報はすぐに提供できるように常に準備をしている。
それは、よい税理士の条件の一つと言えるでしょう。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。