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コラム
仮想通貨取引による所得が一定を超えると、確定申告の必要が出てきます。
もしこっそりと行っていた場合確定申告となると心配なのが、家族や会社に知られてしまうことではないでしょうか。果たして周囲に知られることなく、確定申告や納税を済ませることは可能なのでしょうか?
○結局、会社や家族にはバレるの?
今でこそ仮想通貨と言えばバブルの様相を呈していますが、数年前まではその存在すらあまり知られておらず、当然投機の対象としても注目はされていませんでした。そんな時代にふとしたきっかけから仮想通貨を手に入れ、価値が高騰した今になって扱い に困っている、という方も多いのではないでしょうか?今のうちに売却して現金にしてしまいたいけど、確定申告が必要となるといろいろ不都合もあるはずです。「巨額の利益が出たことが会社にばれて本業に支障が出るんじゃないか」「この投資が副業だと認定されて服務規程違反とされてしまわないか」など、本業に悪い影響が出る可能性は否定できません。
その他にも、会社やご家族に内緒でお小遣いを増やしたい、などの理由から、何とか周囲に知られることなく確定申告を済ませたい、という方もいらっしゃいます。
では結論から先に申し上げます。
会社にばれずに確定申告を行うのは可能です。ただ、ご家族となると少し厳しいかもしれません。
その理由は、次章で詳しく見ていきましょう。
○普通徴収を選べば、会社に知られることはない
皆さんは自分の住民税がどのようにして決められているかをご存知でしょうか。大きな流れとしては、
会社が各従業員の給与を各市区町村に報告
↓
各市区町村が報告された金額に応じた住民税額を会社に通知
↓
会社は通知をもとに給与から天引きする
というのが一般的です。
ただ、別に自分で確定申告を行うとその情報は各市区町村に行きますから、各市区町村は「もともとの給与に別途自分で申告した所得を上乗せした金額」を総所得とし、住民税額を決定、会社に通知します。すると会社には当初より高い税額が通知されるため、結果として給与以外の所得が発覚してしまうのです。
会社への他の所得の発覚を防ぐためには、会社には普段通りの税額のみを源泉徴収してもらい、別途確定申告した分は自分で払うようにするしかありません。「そんな融通効くの?」と思う方が大半だと思いますが、「普通徴収」という制度を使用すれば大丈夫です。確定申告書に普通徴収を希望する欄があるのでチェックを入れましょう。不安であれば、提出する窓口の人に「普通徴収でお願いします」と念押しも忘れないようにするといいですね。
普通徴収を希望すれば、自宅に納付書が届きます。そこから税金を納めれば、会社にバレることはほとんどありません。
ただ反対に、納付書は自宅に届きますから、普通徴収を希望すると家族に見つかってしまう危険性があります。自宅に届く郵便物を誰よりも早くチェックできるなら知られずに済むかもしれませんが、不審に思ったご家族が役所で課税証明書を請求すれば、あなたが何らかの所得を得ていることは容易に分かってしまいます。
○変に隠すより、打ち明けた方が楽です
ここまで見てきたように、会社にばれずに仮想通貨取引をすることは可能です。利益の確定によってなにかしら面倒なことになったらどうしよう……、という不安から寝かせたままにしている仮想通貨があるのなら、取引を考え始めてみてもいいでしょう。
また反対に、同じ家で生活しているご家族にばれずに取引を行えたとしても、申告をすると郵送物等でばれてしまう可能性が高いということもおわかりいただけたと思います。
もしへそくりやお小遣いが増えればいいな、という程度でしたら、思い切って打ち明けてしまうことをお勧めします。そのお金を使って美味しいものを食べに行ったり、旅行に行ったりした方がよっぽど気持ちいいはずですよ。
ただ、もちろん何らかの理由で「どうしても周囲に知られたくない」という方もいるかと思います。そういう方は、サラリーマンでしたら20万円以内に利益を抑えるようにしましょう。この金額を超えなければそもそも確定申告の必要はありません。
※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。