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税務処理の基礎知識

消費税の節約~印紙をチケットショップで購入/人材派遣

今回は、消費税の節約について2つの事例を取り上げてみます。
印紙をチケットショップで買った場合と、人材派遣を利用した場合についてです。

◎印紙を郵便局ではなくチケットショップで購入した場合

印紙や証紙などは、現金にかえてこれらを用いることにより、税金の納付や地方公共団体の行う役務提供に対する手数料として納付するものであるため、非課税であると考えられています。
ですから、通常、印紙や証紙を購入したときには、非課税仕入として処理します。

消費税法では、印紙が法律の規定により定められた郵便局、郵便切手類販売所、印紙売さばき所などで譲渡された場合、証紙を地方公共団体や売りさばき人などが譲渡した場合には、非課税とする取扱になっています。

したがって、上記以外の場所(人)、金券ショップなどで印紙や証紙が譲渡された場合には、消費税が課税されます。
金券ショップなどで印紙や証紙を購入すると、課税取引となるわけですね。
この場合、印紙や証紙の購入代金に消費税が含まれていることになるので、課税仕入として処理して、仕入税額控除の対象とすることができます。
金券ショップなどで購入すると非課税ではなく、課税取引として処理しなければならない。注意してくださいね。

◎人材派遣を利用して消費税を節税できる?

消費税の節税のために、人材派遣を利用している会社があるといわれていますが、それはどのようなものなのでしょうか。

役務の提供については、原則として、課税仕入の範囲に含まれるため、仕入税額控除の対象になります。
ただし、給与や賃金など雇用契約にもとづき提供され、労務の対価として支払われるものについては、事業として行うサービスの提供ではないため、課税仕入の範囲から除かれ、仕入税額控除の対象にはなりません。
つまり、賃金や給料をいくら払っても、そこには消費税がかかっていないので、売上に係る消費税から控除する金額がないということなのですね。

一方、人材派遣会社に支払う派遣の受け入れ費用や外注費には、消費税が課税されているため、仕入税額控除の対象になります。
これらにかかっている消費税は、売上に係る消費税から控除されるため、納付すべき消費税が少なくなります。
雇用した場合の人件費と、派遣の受け入れ費用や外注費が、同じくらいの金額であれば、雇用を抑えて人件費を減らし、人材派遣や外注を増やしたほうが、消費税の節税になるというわけですね。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。