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コラム
一般的に「赤字」と聞くと経営不振を考えることは自然なことですが、実際には赤字でも安定的な事業を継続できている中小企業は多く存在します。帳簿上では赤字であっても、資金繰りがうまくいっていれば、会社は十分に運営可能です。
今回は、赤字でも倒産しない理由や、意図的に赤字を計上するケース、そして赤字経営の立て直しに必要な視点について解説します。
「赤字=倒産」とは限りません。多くの企業は、「現金がなくなる」ことで経営が立ち行かなくなります。実際の経営では、帳簿上の赤字と資金の枯渇はイコールではないため、赤字でも企業活動を安定的に継続できる場合があります。たとえば、減価償却費のように実際の支出を伴わない費用が大きい場合、損益計算書では赤字となっていても、現金はしっかり残っていることがあります。このように、赤字決算だからといってすぐに経営危機とは限らないのです。
中小企業の中には、利益が出ているにもかかわらず、あえて赤字に近い決算を行う場合もあります。その主な目的は節税です。たとえば、経費を前倒しで計上したり、設備投資によって減価償却費を増やしたりすることで、課税対象となる利益を抑えることができます。その結果、帳簿上は赤字であっても、経営は健全な状態が保たれているケースも少なくありません。
しかし、構造的な問題が原因の赤字には注意が必要です。
以下のような状況が続いている場合は、経営状態の見直しを検討する必要があります。
・売上が減少しているのに、固定費(人件費・地代・通信費など)が見直されていない
・借入返済やリース料の支払いが資金繰りを圧迫し、金融機関との関係悪化が懸念される
・主力商品の利益率が低下し、ビジネスモデル自体が収益を生みにくくなっている
・売上の入金サイトが長く、運転資金に常に余裕がない
・原価や外注費の上昇分を販売価格に転嫁できていない
特に、売上が減少しているにもかかわらず下記のような状況が続いている場合は、戦略的な赤字ではなく経営バランスが崩れているサインです。
・固定費が以前と変わらない
・借入金の返済が資金繰りを圧迫している
・粗利率が下がり続けている
・毎月のキャッシュフローに不安がある
そのままにしておくと、資金が尽きるのは時間の問題です。早期に原因を特定し、対策を講じる必要があります。
赤字の要因が経営上の課題である場合、改善には現状把握と具体的な行動が欠かせません。特に、以下の3つの観点は見直しの出発点となります。
利益ではなく「お金の動き」を正確に管理することで、資金の流出入を可視化しやすくなります。
人件費、家賃、外注費などの固定費は、一定以上の利益がなければ重荷になります。適正な水準かどうかを確認することが必要です。
どの事業・商品・顧客が利益を生んでいるのかを把握することで、改善すべきポイントが明確になります。
赤字経営と一言で言っても、その背景や意味合いは企業ごとに異なります。戦略的に計画された赤字と、経営改善が必要な赤字を正しく見極めることが、健全な経営判断につながります。
「うちの赤字は問題ないのか?」「今の数字が将来どう影響するのか不安だ」こうした疑問を持ったときは、お気軽にさきがけグループにご相談ください。財務状況の分析はもちろん、経営改善のプロセスを専門チームがサポートさせていただきます。