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コラム
企業間取引においてよく耳にする「与信」や「与信管理」をいう言葉。聞いたことはあるものの、具体的に何を意味するのか実はよく分からないという人も多いのではないでしょうか。今回は与信管理について、言葉の意味から新規取引する上で与信を取る際の与信管理の重要性まで、分かりやすく解説していきます。
前提として、「与信」とは文字通り「信用を供与する」という意味です。企業間取引では、商品やサービスの提供から代金の回収までタイムラグが生じるため、売掛金・買掛金による取引(掛け取引)が発生します。掛け取引ができるのは相手方へ一定の信用を持っているためであり、この信用を「与信」、信用に基づいた後払いの取引を「与信取引」と呼びます。
「与信管理」とは、この与信をコントロールすることです。代金回収ができなくなるリスクをできる限り減らす、もしくは損失金額を抑えるといった目的で行います。具体的には、倒産の予兆があったり業績が傾いていたりする取引先に対しては、与信取引において扱う金額を少なくしていきます。一方で業績が好調で財務上全く問題のない取引先に対しては、取引拡大を狙います。このように、状況に合わせて取引先ごとに取引する金額、つまり与信を調整することを与信管理と呼びます。
「信用リスク」とは、取引先が倒産するなどして、売掛金が回収できなくなるリスクのことです。場合によっては大変大きな損失につながるため、企業間取引においては常に信用リスクを意識する必要があります。
信販会社との取引を例に考えてみましょう。
もしあなたの会社が新しく商品やサービスの販売事業を始めクレジットカードでの支払いを採用にしようとしたなら、信販会社と契約を結ぼうとするでしょう。このとき信販会社は、あなたの始める新しい事業にサービスを提供して自社はきちんと代金が回収できるのか、という観点から会社と事業を見定め、契約を結ぶか考えます。これが「信用リスク」を考慮し「与信管理」を行う、ということです。
このように、企業間取引が行われる際には常に与信管理が行われているのです。
新規取引において与信管理が重要になってくる理由としては、主に以下の三つが挙げられます。
・資金繰りを安定させるため
与信管理を行うことで、取引先との取引額を調整することができます。新規の取引先にどれだけの与信を取るかは、今後取引を継続できるかどうかにおいて大切になってきます。安定した取引が続けられれば、資金繰りも安定します。
・利益を確保するため
もし取引先が倒産してしまった場合、与信管理をしていれば倒産による損失の上限額を調整できているため、ある程度の利益を確保することが可能です。万が一に備えるためにも、与信管理は不可欠です。
・取引先からの信用低下を回避するため
与信管理ができずに経営に影響を受けると、業績が安定しない企業とみなされ信用を失ってしまいます。信用が低下するということは、取引先からの与信が得られなくなり、取引額に影響することを意味します。自社が与信管理を行うように、取引先もまた自社に対して与信管理を行っていますから、悪い評価を受けないようにしっかり調整しましょう。
そもそも、取引先に対して売掛金を作らなければ与信管理は必要ありません。しかし、多くの企業にとって最大の目的は「商品やサービスを流通させ、自社を大きくすること」ではないでしょうか。
与信を取りすぎることを恐れて取引に消極的になったり、取引先の事情を考えずに与信を取ろうとしたりすることは、その目的の達成を妨げます。「与信管理を徹底し、取引先との間に適切な信頼関係を築いた上で、安定した取引の基盤をつくる」ことが、与信管理の最終的なゴールであると言えます。
さきがけグループでは、税務顧問や財務コンサルティングを通して経営に関するさまざまなサポートを行っています。ぜひお気軽にご相談ください。