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資金調達の基礎知識

会計監査とは? 必要性や準備するべきポイント

会計監査とは、社内で作成された財務諸表などの会計書類の内容が適正かどうか、社外の独立した第三者(会計監査人)が監査することです。会社法の要件を満たした「大会社」にあたる企業は、監査を受けることが法令により義務付けられています。

では、大会社の要件を満たさない中小企業であっても、会計監査を行うべきなのでしょうか。その必要性について、監査の流れや準備するべきポイントなども含めて解説していきましょう。

◎中小企業でも会計監査は必要?

中小企業が会計監査を行うかどうかは、法令上は任意となっています。義務でないのなら余計な手間をかけてまで行う必要はないと考えてしまうかもしれませんが、中小企業であっても監査を受けるメリットは存在します。

最大のメリットは、企業の経営状態に対する信憑性が担保される、ということです。

企業の財務状況をまとめた会計書類は、一般的に、銀行や投資家など企業との利害関係者(ステークホルダー)がその経営状態を判断し、今後の取引を検討するために確認するものです。

このとき、もしも公開されている書類に不備や不正があったとしてもステークホルダーはその事実を知ることができず、そのような疑いを抱いたとしても自ら確かめる手段を持ちません。

そこで、企業が会計監査を行われているかどうかが重要になります。会計監査人の意見は「独立監査人の監査報告書」という形で会計書類とともに公開され、第三者が書類内容の適正性を認めたことの証明になるのです。

◎そもそも会計監査とは

会計監査とは、社内で作成した会計書類の内容が適正であるかを会計監査人が監査することだと冒頭で説明しました。実際に企業で行われる会計監査は、その内容から大きく以下の3種類に分けられます。企業規模が大きくなれば必要な監査の種類も増えてくるので、今のうちに最低限の知識を身につけておきましょう。

①外部監査

独立した外部の会計監査人である公認会計士または監査法人が実施する、該当企業の活動が法令や規則に照らして適正であることを確認するもの。本記事において単に「会計監査」と呼んでいるものは、厳密にはこの外部監査を指します。

②監査役監査

企業の経営者の職務が正しく遂行されているかを監視するもの。通常、監査役には弁護士や公認会計士、経営経験者などが選任されます。

③内部監査

組織内の担当者が経営に役立てるために自主的に実施するものです。

◎会計監査にあたり準備するべきこと

会計監査は一般的に、予備調査→計画の立案→監査開始→監査調書の審査→監査報告書の提出、という流れで実施されます。

企業側が準備すべきことは、予備調査が始まる段階で、監査の対象になる資料をきちんと用意しその内容を把握しておくことです。

対象になる資料とは、具体的に、

・貸借対照表

・損益計算書

・総勘定元帳

・売掛金等残高証明書

・現金、預金、借入金など金融機関の残高証明書

・請求書や領収書などの証憑類

・経理帳簿・会計処理システム

・伝票、固定資産台帳

・棚卸表

・株主総会や取締役会の議事録

などが挙げられます。

実際に監査が行われる際には、基本的に担当者から資料リストを配布されるので、それをもとに適宜用意してください。

監査ではこれらの資料に記載されている内容について担当者からヒアリングがあります。どんな質問をされてもスムーズに受け答えができるように、資料の記載内容は事前にきちんと把握しておきましょう。

中小企業にとって会計監査は義務ではありませんが、今後のM&Aや税務調査の対策などを考えているのであれば、行っておいて損はありません。

不明点や不安があれば、さきがけ税理士法人がサポートさせていただきます。小さなことでもぜひお気軽にご相談ください。