COLUMN

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税務調査対応の基礎知識

ここ数年、確定申告できてない……。でも実は、今からでも挽回可能です!

New year 2019 car speedometer, red indicator on black blur background. 3d illustration

言うまでもないことですが、確定申告は企業として継続している限り毎年発生する必要な義務です。
しかし、中には日々の業務に忙殺されて確定申告にまで手が回らない、あるいは資金繰りが難しいといった理由で、きちんと申告できていないという方が一定数いるのも事実。
しかしこれは違法状態ですので、このままの状態でいていいはずがありません。
そこで今回は、過去に確定申告できていない年がある、という方がこれからきちんと納税していくためにはどうすればいいのか、と言うところをお話しいたします。

できるだけ早い申告を!

確定申告をしていない、という違法状態を一刻も早く解消するためには、とにもかくにも速やかな納税が必要になります。
これをしないと年々無申告が重なっていき、ますます確定申告をするための心理的なハードルや資料整理など物理的な作業量が増していってしまいます。
またいつ税務署に無申告がバレたり税務調査が入るかもわかりません。
無申告の状態で税務調査に入られると罰則などの面で非常に不利になります。
税務署に気づかれる前に、自ら無申告分を申告する、という姿勢が大切です。

税理士に頼むのが安心です

とはいっても、確定申告が滞ってしまっている方の中には、会社創業時から一度も確定申告をしたことがないという方や、昔はしていたけど最近はできていないから、その期間の資料がまとまっておらず何から手を付けていいかわからないという方が多いです。
そんな時には税理士に相談しましょう。

過去数年にわたって無申告の状態が続いている、と言う企業が確定申告をするということは、無申告である数年分の確定申告を一気にするということ。
このケースで最も厄介なのが、税務調査に入られることです。
というのも、過去数年分を一度に提出するのは、日々いろいろな企業を見ている税務署にとっても珍しいもの。
ですので、そこから目を付けられるではありませんが、精査されて、場合によっては税務調査に入られることがあるのです。
場合によっては確定申告以上に負担となる税務調査ですが、きちんと答えるべきところや答え方が分かっていれば怖くはありません。
そしてそれを教えてくれるのが税理士、というわけです。
過去何年分にもわたる膨大な量を精査されても痛くないような高品質な申告書作成から実際の税務調査対策まで、無申告分の申告で起こりうるリスクをカバーできるのが、税理士に依頼するということなのです。

また、「延滞税」が怖くて無申告のままでいる方もいます。
例えば5年分の無申告を一気に申告しようとすると5年分の延滞税が発生すると考え、その金額が莫大になることから無申告の解消をためらっている、というものです。
しかし、実は、通常の無申告に課せられる罰則である無申告加算税が適用されていれば、延滞税の対象となる期間は1年間だけになります。
つまり、延滞税は思っているほど高額にはなりません。

ただ、課せられる罰則が重加算税だと無申告の初年から現在までの期間に対して延滞税がかかるので、例えば5年なら5年間の延滞税を支払わなければなりません。
こうなると延滞税だけでもかなりの額に達するので、事業自体が立ち行かなくなってしまう可能性も十分にあり得ます。
これを回避するためにはどうすればいいか。
ここでも税理士が役に立ちます。
税務のプロである税務調査官と同じ税務のプロとして、あなたに代わって対等の立場で交渉をすることで無用な重加算税を避けられるからです。

たとえこれまで数年にわたった無申告であったとしても、税理士に相談してくれたということはその人が、あるいは会社が変革の時にあるということ。
規模が小さいから、まだまだ立ち上げたばかりだから、という言い訳で避けていた確定申告を過去分にわたって申告するということは、まさにこれから会社が飛躍的に成長していくための第一歩となりえます。

社会的に存在価値のある企業になるためには、遵法精神が欠かせません。
ぜひ無申告分の確定申告を済ませ、ますますの会社の成長を図っていきましょう!


※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。