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コラム
前回までは不服申立てや訴訟の現状について紹介してきました。今回は課税関係の訴訟の中で特に注目すべき判決事例について紹介します。
まずこの事例を見るにあたってストックオプションについてご紹介しますね。ストックオプションとは、予め決められた価格で自社株を買う権利のことを指します。
そしてその価格が時価よりも安くなればなるほど、この権利を得た人はより多くの利益を得ることができます。これによって自社の役員や社員の士気を高めることができます。
例えば、500円の時価を持つ自社株を社員Aに600円で買う権利を与えたとします。これを社員Aが購入した場合に、会社の業績が良くなって株価の時価が上がれば、Aはその時価が600円を超えた時点から、どんどん利益を得られるようになりますね。そうなれば社員Aの仕事に対するやる気、会社の業績をよくしたいという思いはますます強くなりますよね。ストックオプションにはこのような社員のやる気を上ける効果があるのです。
ところで、このストックオプションの権利行使益の所得区分について、訴訟が行われた事例があります。以下のような判決がでました。
「ストックオプション制度は、海外親会社グループの一定の執行役員及び主要な従業員に対してモチベーションを上げるために企画されたものである。海外親会社は、納税者が日本子会社の代表取締として職務を遂行しているからこそ、契約を締結しストックオプションを付与したと考えられる。このことから、権利の行使によって得た利益は職務遂行の対価としての性質を持つ経済的利益なのは明らかである。したがって、この権利の行使は雇用契約又はこれに類する原因に基づいて提供された非独立的な労務の対価として給付されたものと認められる。つまりこの権利の行使は所得税法大28条第1項所定の給与所得に当たるべきである。」
海外ストックオプションにかかる権利行使益については、給与所得という位置づけで税金がかかるのです。この関係の事件で平成15年と16年には多数の訴訟が起こりました。
※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。