相談ダイヤル
0120-964-316顧問契約中のお客様はこちら
042-313-8364相談ダイヤル
0120-964-316顧問契約中のお客様はこちら
042-313-8364COLUMN
コラム
税法上の繰延資産の処理はどのように行われるのでしょうか。
法人税法では、次にあげる費用のうち、その支出の効果が1年以上に及ぶものは、税法上の繰延資産として処理。税法で定める期間で月割計算によって償却することとしています。
①自己が便益を受ける公共的施設、または共同的施設の設置または改良のために支出する費用
②資産を賃借し、または使用するために支出する権利金、立退料その他の費用
③役務の提供を受けるために支出する権利金その他の費用
④製品などの広告宣伝の用に供する資産を贈与したことにより生ずる費用
⑤①から④に掲げた費用の他、自己が便益を受けるために支出する費用
なお、会計上では、税法固有の繰延資産は繰延資産として計上せず、「投資その他の資産」の「長期前払費用」の計上することとされています。
また、少額の繰延資産の取扱については、税務上の繰延資産が20万円未満の場合には、繰延資産に計上せず、支出時に損金にすることが可能です。固定資産ではこの基準が10万円未満となっているので注意してください。ただし、青色申告を適用している中小法人の場合は、年300万円を限度として、取得価額が30万円未満の減価償却資産は、支出時に損金にすることができます。
さらに繰延資産の支出の効果が期待されなくなった場合、一時償却し、原則として特別損失処理をする必要があります。中小企業会計指針では、次の場合には一時償却しなければならないと規定されていますので、間違えないようにしてください。
①他の者の有する固定資産を利用するために支出した費用で、資産として、次の事実が生じた場合
●その固定資産が災害などにより著しく損傷したこと
●その固定資産が一年以上遊休状態にあること
●その固定資産が本来の用途に使用することができないため、他の用途に使用されたこと
●その固定資産の所在する場所が著しく変化したこと
②上記に準ずる特別の事実が生じた場合
法人税法でも、繰延資産とされた費用の支出の対象となった固定資産、または契約について減失または解約等が合った場合には、その減失または解約等があった日の属する事業年度において、当該繰延資産の未償却残額を損金の額に算入するとしています。
一時償却においては、中小企業会計指針と税法の実質的な差異はないといってよいと思われます。
※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。