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記帳や給与計算など経理実務の基礎知識

年末調整・給与支払報告書をマスターしよう~「所得税源泉徴収簿」の記入、「源泉徴収票」の書き方

月々の給与に対する源泉徴収や年末調整などの事務業務を正確に、能率的に行うため、従業員一人ひとりから申告してもらった控除対象扶養親族などの状況や、月々の給与金額、その給与から徴収した税額などを各従業員ごとに記録しておく帳簿。これが「所得税源泉徴収簿」です。

【所得税源泉徴収簿の記入のしかた】

計算は次のような手順で行います。

①各給与支給月日、総支給金額、社会保険料、算出税額を記載し、合計を計算します。
②各賞与支給月日、総支給金額、社会保険料、算出税額を記載し、合計を記載します。
③上記①と②を用紙の右側に転記し、合計を計算します。
 ・①の「総支給金額」は「給料・手当等の金額」へ転記します
 ・②の「総支給金額」は「賞与等」の金額へ転記します
④上記①と②を転記し、合計を計算します。
 ・①の「算出税額」を「給料・手当等の税額」へ転記します
 ・②の「算出税額」を「賞与等の税額」へ転記します
⑤上記①と②を用紙右側へ転記します。
 上記①と②の「社会保険料等の控除額」を「社会保険料等控除額の給与等 からの控除分」へ転記します
⑥「保険料控除申告書」と「配偶者特別控除申告書」から「源泉徴収簿」へ 転記します。


「所得税源泉徴収簿」は、国税庁が提供していますが、法令で定められているものではないので、必ずしも国税庁が提供しているものを使用しなければならないということではありません。
たとえば、会社で使用している給与台帳などでも、毎月の源泉徴収の記録がわかり、年末調整に使用できるものであれば、使ってよいのです。

【源泉徴収票の書き方】

所得総額とそれに対して支払った税金額が記載されていものが、「源泉徴収票」です。
企業で働く会社員が所得証明書として利用しているものですね。
「源泉徴収票」は2部作成し、1部は税務署へ提出、1部を従業員に交付します。

経理担当者は、先の源泉徴収簿から転記するという作業を行うことになりますね。
転記する際、チェックしておきたいポイントは次の通りです。

●従業員の住所、氏名
●支払金額/給料・手当等の金額、賞与等の金額の合計から転記
●供与所得控除後の金額
●所得控除額の合計額
●源泉徴収税額
●配偶者特別控除の額
●社会保険料等の金額、生命保険料の控除額、地震保険料の控除額

「源泉徴収票」は、「所得税源泉徴収簿」の記載通りに転記するものなので、写す際に間違いのないよう留意して行うことが大切ですね。

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