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コラム

資金調達の基礎知識

取引銀行について~選択方法と数を考える

中小企業の経営者のみなさんにとって、銀行などの取引金融機関の選択はとても重要なことだと思います。
取引銀行とは、1行とのみ付き合うのではなく、複数行と取引するべきものです。
複数の銀行と取引をすることによって、銀行は「自行以外からも支援してもらえている」と考え、安心感をもつものだからです。
また、会社にとってもリスクヘッジできることになりますね。

◎会社のライフサイクルと銀行の関係を考えてみる

会社のステージに合わせて、どこの銀行と、何行と付き合うのかは、ぜひとも検討すべき重要事項です。
銀行を選択する際には、会社のライフサイクルや年商規模など、さまざまな視点から検討するとよいでしょう。

会社には、大きく分けて、創業期、成長期、安定期のライフサイクルがあることが多いですね。
もちろん、企業規模や業種、年商規模など条件が違いますから、すべての会社にあてはまるわけではありませんが、ひとつにモデルケースとして参考にしていただければと思います。

◎創業期の銀行付き合い

創業期には、創業融資を受けた日本政策金融公庫や地方銀行などとお付き合いしているケースが多いかと思います。
最初のうちは、地方銀行や信用金庫との信頼関係をつくることを意識してみてはいかがでしょうか。

創業融資を受けてから1年ほどたつと、日本政策金融公庫から追加融資を提案してくることもありますが、このタイミングは借りやすいときなので、資金の需要がある場合は、利用することも視野に入れるといいですね。

◎成長期の銀行付き合い

この時期には、融資取引のバランスをしっかり考え、取引を継続していくことが大切です。
メインバンクとサブバンクを明確にし、メインバンクがはっきりとメインであることを認識して支援をしてくれるように、付き合いを進めていきましょう。
取引銀行数は、大体3~5行程度というところですね。

売上が大きくなってくると、メガバンクが安い金利で積極的に融資の提案をしてくることがありますが、安易に金利だけで銀行を選ばず、メガバンクだけに融資取引が集中しすぎないよう注意するべきです。
地元の金融機関を中心に取引を展開し、必要に応じてメガバンクとも付き合うというスタンスが理想的かと思います。

◎安定期の銀行付き合い

この時期になると、取引銀行数は5行以上になっていることが多いですね。
年商規模が大きくなればなるほど、それに見合う担保がないと、信用保証協会の無担保枠以外として、無担保プロパー融資の必要性が増し、借入額が大きくなってきますが、そうした場合はメガバンクとの付き合いが必要になってきます。
商工中金などとの付き合いを始めるのもお勧めです。

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