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決算書の作り方・ひな形

従業員への賞与支給に関する「賞与引当金」の算出・処理方法

今回は、「従業員への賞与引当金の処理方法」についてみていきましょう。

従業員に支給する賞与の見積額のうち、当期の負担に属する金額は、「賞与引当金」として計上することになっています。
支給対象期間の定めがある場合、あるいは支給対象期かの定めがなくても、慣行として賞与の支給月が決まっている場合には、支給見込額により計上します。この場合、改正前に規定した「支給対象期間基準の算式」で算定した金額が合理的であれば、この金額を引当金の額とすることができます。

◆賞与引当金繰入額の計算式
A:前1年間の一人当たりの使用人に対する賞与支給額
B:当期の月数/12
C:当期において期末在職使用人に支給した賞与の額で、当期に対応するものの一人当たりの賞与支給額
D:期末の在職使用人の数
⇒計算式は、[A×B-C]×Dとなります。

◎当期および翌期の会計処理と申告調整

平成10年度法人税法の改正以後、賞与引当金繰入額は、有税で引き当てることとなっています。

例1:賞与引当金の引当額が当期350万円の場合
賞与引当金の計上額350万円は、全額損金不算入となります。つまり、計上額の全額を「賞与引当金繰入額否認」として加算(留保)欄に記載した上で、当期の増減欄に転記します。

例2:賞与引当金の引当額が当期350万円、翌期中の賞与支給額が600万円の場合
当期引当分との差額(600万円ー350万円=250万円)が、翌期中の賞与として計上されます。

例3:賞与引当金の引当額が当期350万円、翌期380万円、翌期中の賞与の支給額が600万円の場合
翌期の賞与引当金の計上額380万円は、全額損金不算入となるので、計上額の全額を「賞与引当金繰入額否認」として加算(留保)欄に記載し、当期の増減欄に転記します。また、前期に引当計上した350万円は、「賞与引当繰入額認容」として減産(留保)欄に記載した上で、当期の増減欄に転記します。

◎使用人への「未払賞与」の損金算入について

次にあげる3つの要件を満たした場合には、使用人に対する未払賞与を事業年度(使用人に支給額を通知した日が属する年度)の損金として算入が認められています。

①支給額を個別に、同時期に支給を受けるすべての使用人に対して通知している
②①の通知をした金額を通知したすべての使用人に対し、通知した日が属する事業年度終了の日の翌日から1カ月以内に支払っている
③支給額について、①の通知をした日が属する事業年度において、損金経理をしている

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。

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