経理に役立つ簿記知識

赤字決算でも問題ないのか?メリットとデメリットがある?

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企業は営利組織ですので、常に利益を追求していく姿勢が基本となります。
例えば小売業の場合なら、なるべく安い価格で仕入れてなるべく高い値段で売る。
そうすることで自分の手元に残るお金が大きくなり、このお金がやがては利益につながっていくのです。

企業というのは早い話がこれの繰り返しで、「支出を少なく売上げを大きく」のサイクルを積み上げていくことで最終的には黒字状態での決算を目指していきます。
しかし時には様々な理由から決算を黒字に持っていくことができず、最終的に赤字決算となってしまうこともあります。
一般的に赤字決算というと悪いイメージを持たれてしまいますが、実際のところはどうなのでしょうか。
今回は赤字決算を出してしまったときに起こりうる影響について考えてみたいと思います。

◎赤字にはいくつかのパターンがあります

その期の売上げがその期の総支出を下回ってしまった場合に発生する赤字決算ですが、一口に赤字決算といってもいくつかのパターンがあります。
まずはどのような赤字決算があるのかを探っていきましょう。

・創業赤字
これは字のごとく、創業期に起こってしまう赤字です。
事業を起こしたばかりの場合、以前からのツテや人脈などを駆使して初めからから仕事を獲得できるのが理想ですが、残念ながら現実にはそれはなかなか難しいもの。
ただ、仕事がないとは言っても業務に使うパソコンやコピー機などは必要ですし、人件費だってかかります。
結果として、創業当初はどうしても売り上げが支出を下回る赤字決算になりがちです。
ただこれはどんな企業であっても通る道なので、ある程度は仕方がないことと割り切ってしまうことも大切だと言えます。

・臨時的な赤字
事業というのは常に計画どおりに進むわけではありません。
何らかのアクシデントによって今期だけ赤字決算になってしまうこともあります。
たとえば地震で工場や営業所が機能しなくなってしまった時など、その営業停止期間分の利益の逸失はもちろん、再建のためにもまた巨額の費用が必要になります。
ほかには、退職者が多く退職金がかさんでしまった、設備投資として高額な機械を増設した、などもこのパターンです。
ただこれはそのアクシデントの影響を払拭できさえすれば黒字に転換できる可能性が高いので、それほど悲観的になることはないでしょう。

・恒常的な赤字
業界全体が縮小傾向にある、強力な競合他社が現れた、創業時から何年たっても受注数が伸びない、などの理由で起こるのがこの恒常的な赤字です。
この赤字は上記2つの赤字とは違い明らかに問題と言えます。
なぜなら、何らかの抜本的な改革を計らない限り業績回復の芽が見いだせない状況だからです。
人員整理などはその最たる例ですが、そうした施策を実施したからといって必ず経営状態が健全化するわけではありませんし、成功しない場合にはそれまで会社として蓄えてきた資産や融資を食いつぶしながら事業を継続していかなくてはなりません。
そうなると資金不足から新しいことにも挑戦できないので現状からの脱却もますます難しくなり、やがては倒産、という事になってしまいます。

◎赤字決算のメリットとデメリット

赤字決算というと悪いイメージばかり持たれてしまいますが、実はメリットも存在しています。
ここからは赤字決算のメリット・デメリットについてみていきます。

まずはデメリットから。
そもそも決算というのはその会社の経営状態を明らかにし、外部からもよくわかるようにすることが目的なのですが、この「外部」の代表例が銀行です。
何かの入用で銀行からの融資を求める際、決算書を見せて「うちはいま財務状況も業績も健全で返済能力も十分あるから資金を融資してください」というアピールをするのですが、その決算が赤字だと返済能力が疑われ、融資が下りないことがあります。
これが赤字決算の最大のデメリットです。融資がないと新規事業の開拓などの逆転策も講じられなくなるので、状況的にはかなり厳しくなってきます。

ただこの赤字が先ほどの創業赤字や臨時的な赤字なら、銀行側もある程度勘案してくれるため、そこまで融資審査に影響があるものではありません。
創業赤字ならこの先の事業展開を、臨時的な赤字ならその理由とこれまでの決算書を見せればほとんど問題はないでしょう。

次にメリットですが、日本では赤字決算を出した場合は税金を納めなくても良いという制度があるため、税金が著しく安くなるという点です。
銀行からの融資を必要としない企業の中には、税金を支払いたくないがゆえにあえて赤字決算にしている企業もあるほど。
ただ先ほども言ったように赤字決算というのはどんどん会社のお金が目減りしているという事です。
正直あえて赤字決算を出すような節税を行っている会社は良くて現状維持、成長などは望めないでしょう。
今後の成長を期している経営者様や個人事業主様の皆様におかれましては、むしろ「もっと税金を納めてやろう!」というマインドくらいがちょうどいいのではないでしょうか。

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