消費税と経理実務

比較してみよう!②簡易課税のメリット

前回は本則課税のメリットをご紹介しました。今回は簡易課税のメリットをご紹介しましょう。

◎簡易課税のメリット①商品の仕入れが少なく人件費率が高い場合

簡易課税の方が節税になるのは、「実際に支払った消費税」より「みなし仕入率で計算された、支払った消費税」の方が多いケースです。具体的には、商品の仕入れがなくて人件費率が高い業種がそれにあたります。例えばソフトウェアの制作会社、技術者の派遣会社などですね。なぜなら人件費は消費税がかからないので、実際に支払った消費税が少なくなるからです。
しかしこのような業種でアウトソーシングを積極的に利用している場合や、従業員のリストラによる外注の増加は例外になってくるので要注意です。なぜなら人件費と異なり、外注費の支払いには消費税がかかりますよね。外注費の支払いが多くなれば、実際に支払った消費税も多くなるのです。

◎簡易課税のメリット②事務処理の軽減

簡易課税は事務処理が軽減されることも大きなメリットです。本則課税の場合は、実際に預かった消費税と実際に支払った消費税の両方を計算しなければなりませんよね。それに比べ簡易課税は、預かった消費税は課税売上高のみを計算しておけばよいので事務処理がとても楽になります。

◎簡易課税のみなし仕入率について?

ところで、簡易課税の計算で使用するみなし仕入率はなぜ業種別に分かれ、パーセンテージも異なってくるのでしょうか。それは業種別の特徴にそって、簡易ながらできるだけ「実際の支払った消費税」に近い金額になるよう計算するという意味が込められています。
例えば卸売業はみなし仕入率が90%ともっとも高いですよね。卸売業は仕入れた商品をそのまま小売店に販売し、仕入れた金額に自社の手数料などを上乗せして利益を得ています。よって原価率も高くなるはずで、薄利多売の商売といえるでしょう。ということは、売り上げの際に入金される預かった消費税が多ければ、仕入れの際に出金する支払った消費税も多額になるので、みなし仕入率が高い率になっているのです。
反対にサービス業はみなし仕入率が50%と低いですよね。これはサービスを提供する事業はあまり商品を仕入れることがないので、仕入れ代金があまり発生しないことにあります。サービス自体は人が行うので人件費がかかりますが消費税が発生しないので、みなし仕入率が低い率になっているのです。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。

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