税務調査対応の基礎知識

みなし決済金額による損益相当額の計上 ~デリバティブ取引は未決済でも課税の対象になるのか?~

今回はみなし決済金額による損益相当額の計上についてよくある質問と答えを紹介します。

まずよくある質問を具体例にして紹介していきますね。

◆質問

『法人Aは余剰資金を利用して行ったデリバティブ(金融派生商品)取引をしていた。そしてこのデリバティブ取引は手仕舞いしていない取引(未実現取引)の状態で期末を迎えた。このような場合、このデリバティブ取引は課税の対象になるのか。』

◆答え

『課税対象になります。』

確かに法人税法上の収益等の計上は実現主義が原則であります。しかしデリバティブ取引などの未決済分については、利益相当額または損失相当額を課税所得に算入することになっています。つまり法人が行ったデリバティブ取引で、「事業年度終了の時において決済されていない」ものがある時は、その未決済デリバティブ取引を決済されたものとするのです。そしてみなしで決済した金額は、その事業年度の所得の計算上、益金の額もしくは損金額に算入するのです。

◆未決済デリバティブ取引の定義

でもいったい何をもって未決済デリバティブ取引なのだおうと思っている人も多いと思います。そこで改めて未決済デリバティブの定義について明らかにしておきましょう。
未決済デリバティブとは「事業年度終了のときにおいてデリバティブ取引に係る約定が成立しているもののうち、解約、譲渡、オプションの行使・削減その他の手仕舞いに係る約定が成立していないもの」を指します。

◆そもそもデリバティブとは

最後に補足として、デリバティブとはそもそも何かという人向けに簡単にご紹介します。
そもそもデリバティブとは金融商品の取引手法のひとつであり、株式、債券、預金、ローン、外国為替などの金融商品から派生させて形成されたものを指します。
代表的なものとしてはリスクを低下させることを目的にあらかじめ将来の値段を決めておいて取引する先物取引などがあります。

今回はデリバティブ取引の未決済分に対する課税について紹介してきましたが、未決済の取引も課税の対象となるということはポイントですのでお忘れなく。なお、何が課税の対象であり、何が非課税となるのか、確実な判断を行うためにはやはり税金実務を数多くこなしている専門家にご相談いただくのが間違いありません。ただ税理士の資格を持っている、看板を掲げているではなく、税務に関する「豊富な実績」「知見」があることが重要です。税務署による税務調査が入るとなれば、なおさらのことそうした専門家による調査前の状況整理と調査対応方針の策定が不可欠といえます。当事務所では、税務署など現場での税務調査を長年経験された税務の大ベテランが、税務調査対応チームにおります。突然の税務調査への対応にお困りであれば、ぜひ「税務調査の緊急医」にご相談ください。


※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。

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