顧問契約中のお客様は、こちらよりお掛けください。担当部署直通です。クライアント様専用お問い合わせナビダイヤル042-313-8364

決算書の作り方・ひな形

役員への賞与支給に関する「賞与引当金」の損金参入・処理方法

前回は従業員に対する賞与引当金の処理方法について説明しましたが、ここでは2回に分けて、役員に対する賞与引当金の処理方法を取り上げてみたいと思います。

◎役員賞与は損金算入が可能に

会社法の改正により、役員報酬と役員賞与は、職務執行の対価として一本化されました。従来、法人税法では、「役員報酬・退職給与は原則損金算入、役員賞与は損金不算入」となっていましたが、税制改正(平成18年)以後、役員報酬と役員賞与はひとまとめにされました。法人が役員に支給する給与としての「役員給与」のうち損金算入となるものを明記するという形になっています。
つまり、役員賞与は発生した会計期間の費用として処理することになったわけですね。
また、当期の職務に関わる役員賞与は、翌期に開催される株主総会で支給を決議する場合、その決議事項とする額または見込額を原則として引当金に計上することになります。

◎損金算入が認められる役員賞与

損金経理が認められる役員給与のひとつである「定期同額給与」には、次の3つのケースが考えられます。

①定期同額給与である場合
 たとえば、5月決算の法人が、当期の6月から翌期の5月まで、社長に対して毎月末に100万円の定額報酬を支給しているといったケースが、「定期同額給与」ということに なるわけですね。

②期の始めから3カ月以内に増額改訂された場合
 「期首から3カ月以内に増額改訂された定額給与」として損金経理が認められる要件は次のようなものがあります。
 ・改定が期首から3カ月以内であること
 ・改定前の各支給時期における支給額が同額であり、改定以後の各支給時期における支給額が同額であること
 たとえば、5月決算の法人が7月の株主総会で、社長への役員報酬について、8月から月額60万円から100万円に増額するといったケースがこれにあたります。

③経営状況の著しい悪化などを理由に期中に減額改訂された場合
 このケースで認められる要件は次の通りです。
 ・改定が減額改訂であること(改訂時期についての要件はないので期首から3カ月以内でなくてもよいとされています)
 ・改定前の各支給時期における支給額が同額であり、改定以後の各支給時期における支給額が同額であること
 たとえば、5月決算の法人が、著しい業績不振のため1月から社長への役員報酬を月額100万円から40万円に減額するケースがこれにあたります。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。

0120-964-316