税務調査対応の基礎知識

リベートの帰属所在に関するview point

今回はリベートについてエピソードを交えながら説明していきたいと思います。

◆状況

まずはじめにリベートについて簡単に説明します。
リベートとは売手サイドが支払を受けた額の一部を買手サイドに払い戻すこと、そしてその戻されたもの自体を指す言葉になります。
そして問題はここから。このリベートについてこんな話があったのです。
ある法人Aの従業員らは、ある業者に1000万円を支払い、それに対するリベートとして600万円を得ていました。
そしてこの金額は総勘定元帳の雑収入科目に計上されなかったのですが、これに対して法人自身が訴えを起こしました。
つまり「このリベートは本来法人に属するものであるから、リベートとして受け取っていた金額については損害賠償を請求したい」というような訴えを法人Aの従業員に対して起こしたのです。
さてこのような場合そのリベートはどこに帰属されるべきと見るのが正しいのでしょうか?

◆ポイントとなるview

このエピソードは法人税法11条、消費税法13条の趣旨(実質所得者課税の原則)の観点から考えるのが妥当に思われます。
というのもこの法に照らせば、手数料にかかわる収益が法人に帰属するか否かについての判断は、以下の2つのポイントから検討されるべきことがわかるからです。

①手数料を受け取った人間の社会的地位と権限
②手数料を受け取っているのが実質的には法人であるか否か

ではこれらの観点からこのエピソードはどのような顛末を迎えたのでしょうか?
結論から先に言えば、この訴えは取り消しとなりました。
というのもこのリベートは資材の発注に関連して得られたものなのに対して、Aは経理課なので、その発注権限がなかったためです。
つまりAはその権限と地位を利用してリベートを得ていたわけではないので、これは法人Aに属するものではないというのがその見解なのです。

これにはまだ詳細がありますがキリがないのでここまでにしておきます。
リベートについては問題がなかなかに複雑ですね。
ただ、複雑なだけにこういった問題に対処する場合には慎重を要することもまた事実です。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。

アーカイブ

ページTOPへ