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税務調査への対応策

帳簿の摘要欄は税務調査を意識した記載を

税務調査において一番重要な書類は、当然のことながら「帳簿」です。
なので、帳簿の作成を税理士に依頼せず、ご自分の会社内で作成している会社様においては、「帳簿を記載する際の勘定科目や税法を勉強している、気を遣っている」というところも多いと思います。
しかし帳簿の中でも「摘要欄」にまで意識を置いている人はどれくらいいるでしょうか?
もし意識をしていたとしても、税務調査では「どのような記載が問題にされにくいのか」、逆に「どのような記載が引っかかりやすいのか」を明確に意識して記載している人は少ないのではないでしょうか。
そこで、税務調査を意識した帳簿の「摘要欄」について解説します。

◎税務調査官の見るポイント

会社側は、税務調査を数年に一回しか経験しません。
一方、税務署は毎年数多くの会社の税務書類を受領し、チェックを行います。
更に税務調査ともなれば、かなりの数の帳簿を確認しなければならないのですが、調査を行う件数も各担当官でノルマがあります。
つまり、膨大な数にも関わらず、件数はこなさなければならないのです。

件数をこなすために、税務調査官が帳簿をチェックする際は、全てに目を通すことはせず要点を絞って確認を行っています。
まず、税務調査官がチェックする要点を知っておくことは、税務調査対策として非常に有効です。

帳簿の摘要欄において、チェックの際にまず一番目に留まるのは「空欄」です。
使用用途が書かれていない項目は、視覚的にも目に入りやすいですし、何に使われたもしくはなぜ入金があったのかが明確にされていないことがひと目でわかります。
そこで、「空欄」は絶対になくすようにしましょう。

また、「私的利用」や「私的入金」等の言葉にも注意が必要です。
「私的」のような個人的な意味合いの強い言葉は、税務調査官も厳しくチェックしています。
通帳の現金の出入りによく利用される「預入」等の言葉が無難でしょう。

◎会計ソフト利用時の注意点

多くの会社様が、帳簿作成に会計ソフトを利用されていると思います。
この会計ソフトを利用して帳簿の作成や編集をできる人が会社内に多ければ多いほど、摘要欄の書き方には気をつける必要があります。

ある程度の基本的な帳簿作成方法は、会社内で統一されていると思います。
ただ、摘要欄をどう書くのかまで社内で統一が図れている会社様は少ないのではないでしょうか。
実は摘要欄は、選択式ではなく自由に記入できる項目だけに、「人によって書き方が全く異なる」という点に注意しなくてはなりません。
その人の『感性』による書き方がされているために、税務調査で指摘されてしまいそうな記載になっている摘要欄を今まで何度も目にしてきました。
特に長く勤めている従業員や、経理に携わっている従業員に対しては、「わかってくれているだろう」と確認が甘くなることもあるかもしれません。
しかし、信用のおける従業員だからといって、「税務調査で問題にならない書き方をしている」という保証はないのです。
できれば専門家も交えて一度チェックを行った方がいいでしょう。

また、会計ソフトを利用していると、その会計ソフト上でしか中身をチェックしないという会社様をよくお見かけします。
一方、税務調査官はその会計ソフトを印刷し、紙の上でチェックをしていきます。
もちろん記載されている内容は画面上と紙面上では何も変わりはありません。
しかし画面上ではあまり意識をしなかった点が、紙面で見た場合に目に留まる、というケースは往々にしてあります。
何より税務調査官と同じ視点であらかじめ見ておくことは、税務調査対策としても効果的です。
一度紙に打ち出したら、税務調査官がくる前に一通り確認しておくといいでしょう。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。

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