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税務調査への対応策

「人件費」の設定で注意しておきたいポイント①役員

◎常勤か非常勤か~役員報酬は実態で決まる

役員へ支給できる役員報酬の税務上の適正額は、「常勤」か「非常勤」かによって変わってきます。
この役員報酬が違えば、支給する役員退職金も違ってくるケースもあります。

ここで、役員報酬、役員退職金が高額すぎるということで否認された事例を紹介しましょう。

〈前提条件〉
●A社の取締役会長は死亡まで入退院を繰り返していたが、入院中も社長らが面会、会長から指示を受けていた。
●決算書の内訳書には、会長は「非常勤」と記載されていたこと、入退院を繰り返していた期間中に役員報酬を増額していたことなどがわかっている。

これに対し、税務署は、「長期入院が続き、通常の勤務をしていない。常勤・非常勤の区分は毎日一定の勤務時間が基準となる」などと主張しましたが、国税不服審判所は、納税者側の主張を認め、役員報酬と役員退職金は高すぎないと認める裁決を出しました。
この際の国税不服審判所の判断の根拠は次の通りです。

●会長の主治医、付添婦、A社の部長の申述書
(社長や管理職との面会の事実と頻度、経営に関する指示の実態を納税者側が立証)
●会長は入院時もA社に出社することがあった
●入院中も病室で報告を受け、指示を出していた
●決算書の内訳書に記載されている「非常勤」の表示は関係ない

この会長の場合、確かに毎日出社はしていませんでしたが、だからといって非常勤役員という取扱いになるわけではなく、あくまでも「勤務の実態」で判断すべきということで、こうした結論になったのです。

税務調査官は、否認することを前提としていますから、常勤、非常勤の区分は毎日一定の勤務時間が基準として、否認するための根拠を提示してきますが、そうしたことはどの法令や通達にも明記されているわけではありません。
これを明確に意識して訴えていけば、国税不服審判所までもっていかなくても、現場の段階で納税者側の主張が認められるでしょう。
時間、労力、費用の面でも負担が軽くするために、知識として覚えておかれるといいですね。

ただ、税務関連の知識は幅広くかつ深いですので、もし税務調査が来るとなったら、準備段階から税務の専門家である税理士に相談するのが第一です。
特に税務調査対応経験豊富な税理士であれば、事前準備をしっかりと行い、税務調査中どのように振舞えばいいか、どのように質問に答えればいいかなどのアドバイスをしてくれます。
さらに税務調査への立会いで、専門的な質問に即座に代わりに返答し、納税者側に有利な状況を作れます。

手前味噌ですが当事務所でも、「税務調査専門」のチームを組織し、日々税務調査にお悩みのお客様をサポートしております。
国税・税務署のOBも在籍してますので、税務調査官の目線も完璧です。
「税務調査の緊急医」サービスにてご相談を承っておりますので、税務調査に少しでも不安をお持ちでしたらお気軽にご連絡ください。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。

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