事業承継の流れと基礎知識

長男や妻が事業を継承した場合に知っておくべき会社の社会保険②社会保険の手続き

前回は経営者の社会保険についてご紹介しました。今回は事業承継と会社の社会保険の手続きについてご紹介します。例えば経営者であるAさんが死亡し、現在他企業で働いている長男、あるいは現在専業主婦の妻が継いだ場合、Aさんの社会保険の手続きが必要になりますが、誰に承継するかによって手続きが異なってきますのでしっかりと把握しましょう。

◎Aさんの長男が継いだ場合

まずは長男が継いだ場合を考えてみましょう。長男は継ぐためにまず現在勤めている他企業を退職します。その退職に伴い、いったん長男は社会保険(健康保険、厚生年金保険)と労働保険(労災保険、雇用保険)ともに資格を喪失したうえで、Aさんの会社で新たに社会保険(健康保険、厚生年金保険)のみ加入します。労働保険(労災保険、雇用保険)については、会社の経営者である長男は加入できません。

◎Aさんの妻が継いだ場合

次は妻が継いだ場合を考えてみましょう。妻の社会保険は現在Aさんが加入している社会保険(健康保険、厚生年金保険)の被扶養者の扱いで、Aさんが入っている健康保険の被扶養者、そして国民年金の第3号被保険者となっています。その妻がAさんの会社を継ぐと、妻自身で新たに会社の社会保険(健康保険、厚生年金保険)に入ることになります。それに伴い、妻は今まで被扶養者であったために個別に保険料を払う必要がありませんでしたが、経営者になったため妻自身で社会保険(健康保険、厚生年金保険)を支払っていくことになるのです。もちろん保険料を納めるのですから、妻が老後に受け取る年金はその分手厚くなります。仮に妻が早い時期からAさんの会社の経営に携わり、厚生年金保険に入っていたなら保険料負担は増しますが。老後の年金を多くすることが可能です。

◎継いだ人によって手続きは異なる

このように同じ家族でも誰が継ぐのか、その人の社会保険が現在どのようになっているのかによって手続きは異なってきます。まずは承継者の社会保険の現状をしっかりと把握することから始めましょう。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。

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