事業承継の流れと基礎知識

長男や妻が事業を継承した場合に知っておくべき会社の社会保険①社会保険とは?

今回は社会保険についてご紹介します。事業承継について考えると、ついつい遺産などのことばかりに頭がいってしまいますが、忘れてはいけないのが社会保険。例えば経営者であるAさんが死亡し、現在他企業で働いている長男、あるいは妻が継いだ場合、Aさんの社会保険の手続きが必要になりますが、そもそも経営者の社会保険とはどのようになっているのでしょうか。

◎社会保険って何?

そもそもまずしっかりと知っておきたい「社会保険」。どのような保険であるか、きちんと説明できる人は意外と少ないのではないでしょうか。社会保険とは病気・けが・障害・失業などの社会的リスクに対応し、一定の給付を行う保険のことをいいます。具体的に会社勤めをしている人に関係する社会保険は以下の4つです。
・健康保険...病気やけがをした時など
・厚生年金保険...高齢、障害になった時や死亡した時など
・労災保険...仕事中にけがや病気になった時など
・雇用保険...失業した時など
社会保険は広義の意味では上記4つすべての保険をさし、狭義の意味では健康保険と厚生年金保険のことをさします。これに対して労災保険と雇用保険のことを労働保険といいます。

◎代表者変更の際の届出

まず、会社の代表者に変更があった場合、健康保険、厚生年金保険では「健康保険・厚生年金保険事業所案内変更(訂正)届」を変更があった日の翌日から5日以内に年金事務局へ提出する必要があります。一方、労働者災害補償保険(労災保険)や雇用保険では特に手続きは必要ありません。

◎経営者と社会保険

上記の4つの保険について、経営者であるAさんとの関係を確認してみましょう。社会保険(健康保険、厚生年金保険)と労働保険(労災保険、雇用保険)では、法人の経営者についての取扱いが異なるので注意しましょう。
・社会保険(健康保険、厚生年金保険)...経営者は法人に使用される者と考えられ、保険に入れる。
・労働保険(労災保険、雇用保険)...労働者の保護を目的としているため、保険の対象外で入れない。
よって、Aさんは、社会保険(健康保険、厚生年金保険)のみに加入していたことになります。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。

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