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事業承継の流れと基礎知識

長男などの後継者にしたい相手に会社の株式を承継させる方法①遺言

今回は後継者にしたい相手に会社の株式を承継させる方法をご紹介します。

例えば、Aさんは会社を経営しており、90%の株主でもあります。家族は妻と長男・長女がいますが、将来は長男を後継者にしたいと考えています。自分の保有している株式を長男に承継するにはどんな方法があるでしょうか。

この場合、大きく分けて遺言と生前贈与の2つの方法があります。どちらも注意点がありますので、しっかりと把握したうえでどちらが適しているか判断する必要があります。今回はまず遺言についてご紹介しましょう。

◎遺言の注意点①遺言書の種類

遺言書と一言でいっても、実は大きく分けて「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」3つの種類があります。それぞれの特徴やメリット、デメリットをしっかりと把握しておかないと、「せっかく遺言書を書いたのに残念ながら無効だった…」なんてことにもなりかねません。3つの特長については以前ご紹介しましたが、実態としては手間をかけず内容を誰にも知られたくないのなら自筆証書遺言、要件を具備した確実・安全・便利な遺言書を作りたいのなら公正証書遺言というケースがほとんどです。親族との関係や状況などを考慮して、一番最適な遺言書の種類を選びましょう。

◎遺言の注意点②遺留分

遺言を書く際には特に「遺留分」に注意しなければなりません。遺留分とは、相続財産のうち一定の相続人に法律上、必ず残しておかなければならないとされている一定の割合をいいます。兄弟姉妹以外の相続人、すなわち配偶者、子および直径尊属(孫や曾孫など)は遺留分を有します。これらの者の遺留分を侵害する贈与・遺贈は、遺留分減殺請求権が行使されることによって、遺留分の限度で効力を失います。よって例えば、遺言の作成者が「好き勝手ばかりした親不孝者の次男には、相続は一円もやらん!」としたくても、法律上これは不可能なんです。
Aさんの場合も、長男への株式を承継することに注力するあまり、うっかり妻や長女の遺留分までを侵害してしまわないように気を付けることが必要です。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。

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