決算書の作り方・ひな形

商品販売や役務提供といった取引の実態に応じた「収益認識基準」を把握しましょう

今回のテーマは、「収益認識基準」です。

収益は、商品などの販売は役務の給付にもとづいて認識されるもの。企業は、各取引の実態に応じて、販売の事実を認識する時点を選択する必要があるということですね。

◎収益の認識基準となる、3つの取引形態

①一般的な販売契約における収益認識基準
②特殊な販売契約における収益認識基準
③長期の請負工事における収益認識基準

①一般的な販売契約で使われるもの

商品などの販売や役務の給付にもとづく収益認識基準には、「出荷基準」「引渡基準」「検収基準」などがあります。
出荷基準は、製品、商品などの出荷・出庫伝票、配送業者により送り状などにより日付を確認。収益を認識する方法のことです。引渡基準では、納品書の控え、受領書などの日付によって収益を認識しましょう。また、検収基準では、納品先での検収確認書などの日付で収益を認識しています。

②特殊な販売契約で使われるもの

委託販売、試用販売、予約販売、割賦販売など、特殊な販売契約については、その販売形態や代金の回収方法などの特殊性から、別に収益の認識基準が決められています。

▶特殊な販売契約における収益認識基準
委託販売⇒受託者が委託品を販売した日
試用販売⇒得意先が買い取りの意思を表示した日
予約販売⇒予約金受取額のうち、事業年度の末日までに商品の引渡し、または役務の給付が完了した分。残額は貸借対照表の負債の部に記載し、次期以降に繰り延べる。
割賦販売⇒商品などを引き渡した日。ただし、割賦金の回収期限がくる日または割賦金の入金の日とすることもできる。

③長期の請負工事などで使われるもの

長期の請負工事における収益認識基準は、工事が完成し、その引渡しが完了した日(工事完成基準)、または決算期末に見積もられた工事進行程度と適正な工事収益率を用いた方法(工事進行基準)により、収益を認識するものです。

なお、法人税法では、長期大規模工事について工事進行基準が別途、規定されています。

▶法人税法に規定されている長期大規模工事
・工事着手日からその工事に係る契約で決められている目的物の引渡しの期日までの期間が2年以上
・請負の対価額が50億円以上
・対価額の2分の1以上が、その工事の目的物引渡期日から1年を経過する日後に支払われることが決められていないこと

この要件を満たしていれば、強制的に「工事進行基準」で計算した金額を益金と損金の額に算入しなければなりません。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。

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