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決算書の作り方・ひな形

「税効果会計」適用時には繰延税金資産の回収可能性に応じた法人税申告書の書き方がある

繰延税金資産は、一時差異に法定実効税率をのせた額ではなく、回収可能性のある部分のみに限定して計上できるとされています。

繰延税金資産の回収可能性の判断

将来減算一時差異×法定実効税率

回収可能性の判断

回収可能性あり→繰延税金資産として計上できる
回収可能性なし→繰延税金資産として計上できない

判断の基準は、
①収益力にもとづく課税所得が十分であるか
②将来加算一時差異が十分であるか
③タックスプランニングの存在
以上のいずれかを満たしていることが条件になりますね。

◎回収可能性の具体的な判断手順を確認

●第一段階→期末時の将来減算一時差異の将来解消見込年度のスケジューリングの実施
●第二段階→期末時の将来加算一時差異の将来解消見込年度のスケジューリング実施
●第三段階→年度ごとに将来減算一時差異と将来加算一時差異の相殺を実施

◎繰延税金資産の回収可能性の判断方法

①期末における将来減算一時差異を十分上回る課税所得を毎期計上している会社で、経営環境に顕著な変化がないこと。→将来も一定水準の課税所得が計上でき、繰延税金資産も回収可能性があると判断できます。

②期末における将来減算一時差異を十分に上回るほどの課税所得がない会社の場合、当期および過去3年以上連続して利益が計上されている。→将来も同水準の課税所得が見込まれるので、一時差異等のスケジューリングの結果にもとづき、それに対応する繰延税金資産は回収可能性ありと判断することができます。

③過去の業績が不安定な会社の場合、およそ5年以内の課税所得の見積りを限度として、スケジューリングの結果にもとづき、それに対応する繰延税金資産は回収の可能性ありと判断できます。

④期末において重要な税務上の繰延欠損金が存在する会社、3年以内に重要な税務上の欠損金の繰越期限切れとなった事実があった会社、当期末において重要な税務上の欠損金の繰越期限切れが見込まれる会社の場合、繰越欠損金等が事業のリストラや法令などの改正によるような理由では、将来の合理的な見積可能期間(5年程度)以内の課税所得の見積額を限度として、その期間の一時差異等のスケジューリングの結果、それに対応する繰延税金資産は回収可能性ありと判断できます。

⑤およそ3年以上連続して重要な税務上の欠損金を計上していて、当期もその計上が見込まれる会社、債務超過等で短期間に解消が見込めない会社の場合、通常は課税所得の発生を見積もることが困難です。したがって繰延税金資産の回収可能性はないと判断されます。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。

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