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決算書の作り方・ひな形

決算時の「貸倒引当金」の会計処理~貸倒引当金の損益計算書および貸借対照表への表示方法~

決算時の貸倒引当金の処理などについて

前回は、税務上の貸倒引当金の設定、会計処理などを取り上げましたが、今回は、決算時の貸倒引当金の処理などについてみていきたいと思います。

中小企業会計指針によると、貸倒引当金の会計処理は、「差額補充法」によると明確に規定されています。
税務上は洗替法が原則だったので、税務だけを意識した損益計算書では、営業外収益と営業外費用に貸倒引当金繰入額と貸倒引当金戻入額が両建てで表示されるといったように、会計理論上、問題がある表示をしている例もあったからです。
「差額補充法」による貸倒引当金の会計処理の例をひとつあげておきましょう。

例)
以下の場合、差額補充法による会計処理は?
 前期末の貸倒引当金残高 100
 当期末の貸倒引当金残高 150
仕訳
(借)貸倒引当金繰入額 50 (貸)貸倒引当金 50

差額補充法では、当期末の貸倒引当金残高と、前期末残高の差額(当期に貸倒損失に振り替えた場合はその額を控除したあとの残額)を計上することとしています。

◎損益計算書での計上区分について

損益計算書における「貸倒引当金繰入額」の計上区分は、次のようになります。

【損益計算書での計上区分】
①営業上の取引にもとづいて発生した債権に関すること⇒販売費に計上
②臨時かつ巨額なもの⇒特別損失に計上
③ ①②以外のもの⇒営業外費用に計上

◎貸倒引当金の貸借対照表における表示方法について
貸借対照表での、貸倒引当金の表示については、主に次の3つのような方法があります。

①原則⇒対象となる債権から控除形式で表示する方法です。
受取手形  1000
貸倒引当金 △100 900
売掛金    800
貸倒引当金 △ 50 750

②例外1一括控除形式⇒流動資産または投資その他の資産から一括して控除形式で表示する方法です。
受取手形  1000
売掛金   800
貸倒引当金 △150

③例外2注記方式⇒対象となる債権から直接控除して注記する方法です。
受取手形(100円控除後の金額) 900
売掛金(50円控除後の金額)   750

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。

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