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記帳や給与計算など経理実務の基礎知識

給与計算・賞与計算をマスターする~実践編「賞与明細書」を作成する

今回は、モデルケースにしたがって、実際の賞与計算の流れを確認していきたいと思います。

【賞与計算の具体例】

◎モデルケース(平成26年6月の例として)
 従業員名:タナカ イチロウ(年齢40歳未満。介護保険の被保険者には該当しない)
 賞与:52万5,600円
 扶養控除等(異動)申告書:提出済み
 扶養親族:2人
〈前月の給与情報〉
 基本給+諸手当:30万1,000円+3万6,600円=33万7,600円
 通勤手当:1万6,400円
 合計:35万4,000円
 健康保険料:1万7,946円
 厚生年金保険料:3万816円
 雇用保険料:1,770円
 所得税:4,700円

①健康保険、厚生年金の計算のしかた

●賞与の計算は、健康保険(介護保険)、厚生年金保険ともに、それぞれ賞与の1,000円未満を切り捨て、「全国健康保険協会(協会けんぽ)の被保険者の方の保険料税額表」「厚生年金保険の保険料額表」に記載されている税率で計算します。
給与計算のように、等級で見ないので気をつけてください。

 タナカ イチロウさんの健康保険料:52万5,000円×9.97%×1/2=2万6,171円
 タナカ イチロウさんの厚生年金保険料:52万5,000円×17.120%×1/2=4万4,940円
 ※従業員の保険料の端数は、50銭以下は切り捨て、50銭超は切り上げます。

②雇用保険料の計算のしかた

●被保険者の負担する雇用保険料は、賃金総額×被保険者負担の雇用保険料率となります。

 タナカ イチロウさんの場合:52万5,600円×5/1,000=2,628円

③源泉所得税の計算のしかた

●「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」から、(前月の給与の課税支給額−社会保険料)の金額の行を見ます。
 算式:前月の給与(基本給+諸手当)−(健康保険料+厚生年金保険料+雇用保険料)
 タナカ イチロウさんの場合:33万7,600円−(1万7,946円+3万816円+1,770円)=28万7,68円
そしてこの前月の給与と扶養親族の数(2人)の交差するところは、4,084%です。
したがって、タナカ イチロウさんの賞与の源泉所得税は、
[賞与の金額−(健康保険料+厚生年金保険料+雇用保険料]×4.084%で計算し、以下となります。
 52万5,600円−(2万6,171円+4万4,940円+2,628円]×4.084%=18,454円

賞与の計算は、給与と違い、社会保険も所得税も率を掛けて計算するということがおわかりいただけたでしょうか。
きちんと押さえておきましょう。

※記事に含まれる情報は、記事作成時点のものとなります。

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