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相続対策・相続税務の基礎知識

相続不動産売却時に「取得費加算」を利用した譲渡税の節税方法

取得費加算を利用した節税

相続不動産売却時に「取得費加算」を利用した譲渡税の節税ができるのですが、ご存知ですか。例をあげてご紹介しましょう。

例えば、Aさんは3年ほど前に親から合計5億5千万円(土地5億円、現預金1億円、借入金マイナス5千万円)を相続し、相続税を合計6千万円(相続税額1億5千万円、納税猶予マイナス9千万円)納付しました。相続財産の中には生産緑地もあり、Aさんが農業を継続することで、納税猶予を受けています。
さて、実は相続した土地の中にいずれ売却しようと思う土地(時価1億円、取得費500万円)があり、できればこの売却代金をAさんの会社の事業資産にしたいと考えています。
相続開始から3年10カ月以内なら、相続財産である土地を売却しても譲渡税がかからないと聞き、それならば「急いで売った方がいいのか」と迷っているのです。

この場合、土地の売却に対して使うことができる取得費加算可能額はというと・・12,500万円となります。つまり12,500万円までは譲渡益を打ち消すことができるわけです。

譲渡の日とは

ところで、「譲渡の日」とは、必ずしも引き渡しが完了し、残金の決済が行われた日とは限りません。売買契約日を譲渡の日とすることもできますので、3年10カ月までに売買できればいいことになります。
また、この譲渡の相手は必ずしも他人でなくても問題はなく、例えば会社の経営する同族会社でも構いません。会社に売却すれば会社にとってのこの土地の取得価格は、実際の価額である1億円です。その後で会社が売却しても、会社にほとんど譲渡益は生じません。

さらに、会社の購入資金の1億円がない場合には、会社がもつ他の土地(時価1億円分)と交換する方法も考えられます。交換した際にはあえて「固定資産の交換特例」は適用せず、通常通りの計算で「取得費加算」を適用します。そうなると交換して得た土地の取得費は交換時の時価である1億円になりますので、これを売却したときには譲渡益がほとんど生じないことになります。会社は交換した土地に含み損があればそれを実現できますし、含み益がある場合には交換特例を使うことができます。

不動産を相続した場合に、土地や建物をそのまま手元においておくことにメリットがある方はそれほど多くはないはず。現金化して別の費用の原資にしたいというケースはままありますよね。そんなときに使える節税策が、今回ご紹介した「取得時加算」の活用です。使えるケースや実際にどの程度の節税につながるかは、ケースバイケースですので、税務の専門家にご相談ください。当事務所の場合には、相続関連のご相談専門機関として「相続手続き支援センター」がありますので、こちらにお問い合わせいただければサポートいたします。

また、「取得時加算」を受けるために必要なのが確定申告での手続き。当事務所では「確定申告・丸投げ専門サービス」もご用意してます。税務のプロが煩雑な確定申告を代行いたしますよ。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。

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