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相続対策・相続税務の基礎知識

広大地評価の適用・不適用による物納不動産の評価額変化

今回は、広大地評価の適用・不適用による物納不動産の評価額の変化についてご紹介します。

例えば、Aさんの父は以下の土地3つを所有しています。
・A地(宅地)…B地に隣接し、正面路線価400千円に面した土地300㎡
・B地(青空駐車場)…A地とC地に挟まって隣接し、正面路線価400千円に面した土地300㎡
・C地(青空駐車場)…B地に隣接し、正面路線価400千円に面した土地300㎡
将来はAさんが相続する予定で、相続税についてはこのうちのC地を物納に充てたいと考えていますが、何か注意すべきことはあるでしょうか。

この場合、以下2つの方法がおすすめ

①C地の青空駐車場をA地に移動して、A地・B地で青空駐車場を経営する
②B地の青空駐車場を廃業して、C地のみで青空駐車場を経営する
物納の場合の収納価格は、相続税申告時の評価額をもとにして計算することになります。現状のままだとB地・C地を広大地として一体評価しなければなりません。物納部分についても、その評価額をもとに計算することになり、物納の収納価額も小さくなってしまいます。
したがって上記の①または②の方法で、土地の評価単位を現状のような「A地+B地・C地(広大地評価)」ではなく、「A地・B地(広大地評価)+C地」として物納予定地に広大地評価の影響を与えないようにすることが望ましいと考えられます。

◎現状の場合のC地の収納価格

・B地・C地の評価額…400千円×(0.6-0.05×600㎡/1,000㎡)×600㎡=136,800千円
・C地の単独評価額…400千円×300㎡=120,000千円
・B地の単独評価額…400千円×300㎡=120,000千円
・C地の収納価格…136,800千円×120,000千円/(120,000千円+120,000千円)=68,400千円

◎評価区分を変えた場合のC地の収納価額

・C地の単独評価額…400千円×300㎡=120,000千円
評価区分することによって、全体の評価額は変わらないものの、物納の収納価額(国の買収額)に51,600千円(120,000千円ー68,400千円)もの差が生ずることとなります。相続税額以内の物納には譲渡所得税は生じません。したがって単純に収納価額の増加分だけ節税の効果があることになります。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。

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