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経理に役立つ簿記知識

「財務分析」の3つのポイントをおさえる

前回、財務分析は会社の健康診断だとお伝えしましたよね。どんな小さな症状や不具合を見逃さないためにも、その健康診断を的確にしっかりと行う必要がありますよね。今回は財務分析に大切な3つのポイントをご紹介します。

◎ポイント①過去を踏まえたうえで、現状と傾向をつかむ

会社の経営成績や財政状態を把握するには、現状だけを見ていてはいけません。大切なのは「過去との比較」です。
例えば、現状の数値が問題なく良くても、過去と比較するとだんだんと悪くなっている場合があります。人間に置き換えれば、例えば現状の体重が一般的な平均値でも、過去と比較するとどんどん増えているというケースです。これはすぐには体に不調をきたさないとしても、この先近い将来、何か大きな病気につながる可能性もあるでしょう。その場合は早いうちから「食生活が乱れたかな?」とか「最近間食が増えたかな?」と原因を探って改善していくことが大切ですよね。
反対に、現状の数値が悪くて問題があったとしても、過去と比較するとだんだんと良くなっている場合があります。例えば現状の体重が一般的な平均値よりかなり重くても、過去と比較するとどんどん減っているというケースです。この場合も「ダイエットの運動が結果に表れているな」とか「最近生活習慣を改善した結果かな」と原因を探って、「良い結果につながっているならこのまま継続しよう」というこれからの対策もみえてきますよね。

◎ポイント②比率分析と実数分析を両方使う

比率分析とは、決算書に載っている数字を関連づけた割合で分析する方法です。例えば、損益計算書の経常利益と貸借対照表の総資産の2つから計算した値をみて、利益が効率的に生まれているかどうかをぶんせきするといった具合です。そして実数分析とは、実数をそのまま用いて分析する方法です。
例えば、比率分析だけでは実態の把握が不十分になってしまう場合があります。そこで実数分析の両方を使うことで、よりよい分析ができるのです。

◎ポイント③数字は大まかにとらえ、他会社等との比較は慎重にする

比率分析や実数分析をすると、小数点以下の細かい率や、10円100円単位の小さな金額まで出てくる場合があります。しかし、あまり細かく追求する必要はありません。数字は大まかにとらえて、異常が発見できれば十分です。
また、他会社との単純な比較は注意が必要です。なぜなら、規模や組織や営業スタイルなどが異なるからです。業種別に公開されている基準値なども、参考程度にしておくとよいと思われます。

※記事に含まれる情報は、記事作成時点のものとなります。

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