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税務処理の基礎知識

資産と減価償却⑤絵画の購入/機械の修理/二期に渡る修繕費

資産と減価償却について、今回は、絵画の購入、機械の修理費用、そして2事業年度に渡って支出した修繕費の処理の、3つのケースを取り上げてみたいと思います。

◎社長室に飾るために購入した絵画は減価償却資産になるか?

減価償却資産とは、時の経過によって次第に価値が減少する資産のことをいいます。
ですから、著名な画家の作品などは、美術品としての価値があり、それが減少するとはいえず、むしろ価値が上がっていくというのが一般的ですね。
その意味では、絵画は減価償却資産には該当しないということになります。
絵画、書画、骨董品のような美術品は、非減価償却資産とされ、減価償却することはできません。

〈非減価償却資産とされるもの〉
 ①古美術品、古文書、出土品、遺物など、歴史的価値または希少価値を有し、代替性のないもの
 ②美術関係の年鑑などに登録されている作者の制作による書画、彫刻、工芸品など

◎機械の修理を行ったときの費用の取扱い

会社で所有している固定資産に、修理や改造などを行った場合、資産の維持、管理などその現状を回復するものであれば、修繕費として処理しても構いません。
しかし、資産の価値を増加させたり、耐用年数を延長させるものであれば、基本的支出となり、資産計上しなくてはならないことになっています。
修繕費と基本的支出の区分は、事実認定が難しいのですが、修繕や改造部分の明細や資料を整理し、保管しておくようにするとよいでしょう。

◎施設や機械の修繕が当期と翌期にまたいで行われた場合

本来、修繕費などは期末までに請求額が確定している金額を損金算入することになっており、修繕費の一部を支払っただけでは、債務の確定としては不十分です。
ただし、法人税法においては、債務確定基準が採用されるので、修理修繕の全てが期末までに終わらず、翌期までかかったとしても、次の3つの要件を満たし、債務が確定している部分があれば、それについては当期の損金に算入できます。

 ①その事業年度終了の日までにその費用に係る債務が成立していること
 ②その事業年度終了の日までに給付すべき原因となる事実が発生していること
 ③その事業年度終了の日までにその金額を合理的に算定できること

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。

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