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税務処理の基礎知識

資産と減価償却①少額減価償却資産の損金算入/一括償却資産制度

事業所の環境改善のため、エアコンを購入しようとしている会社があるとしましょう。
エアコンの価格が30万円未満なら資産計上する必要がなく、全額が経費になるということはご存知かと思います。
では、30万円未満の資産を購入していれば、全て経費になると考えてよいのでしょうか。

◎中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例

中小企業者等が、取得価額30万円未満の減価償却資産を取得し、事業に供した場合、その取得価格に相当する金額を損金に算入することができます。
これが、「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」であり、次の要件を満たせば、全額を損金に算入することができます。

 ①青色申告法人であること
 ②中小企業者(資本金1億円以下、常時従業員1000人以下)または農業協同組合等であること
 ③取得価額が30万円未満の減価償却資産であること

この特例は、取得価額が30万円未満である減価償却資産について適用があり、器具及び備品、機械・装置等の有形減価償却資産の他、ソフトウェア、特許権、商標権等の無形減価償却資産も対象となります。
ただし、適用を受ける事業年度において、少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円を超える場合は、その取得価額の合計額のうち300万円に達するまでの少額減価償却資産の取得価額の合計額が限度となります。
したがって、30万円未満で資産を購入していれば、全て経費になるということではないので、注意しておいてくださいね。

◎減価償却資産の一括償却制度

減価償却資産の取扱いには、少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の他に、「一括償却資産制度」というものがあります。
これは、20万円未満の減価償却資産については、一括償却資産として3年間に渡り、均分に損金算入することができるというものです。
20万円未満の減価償却資産を事業のために供した事業年度ごとに、その全部または特定の一部を一括して、一括したもの(一括償却資産)ごとに、3年金等で損金に算入することが認められています。

〈一括償却資産の損金算入額〉
 一括償却資産の一括償却対象額 × 当期の月数/36=損金算入限度額

つまり月割計算をする必要はなく、取得した事業年度にその取得価額合計の3分の1を償却することができるのです。
この一括償却資産の3年均等償却の適用を受けるには、一括償却資産を事業の用に供した日の属する事業年度の確定申告書に、一括対象額の記載があり、その計算に関する書類を保存しておく必要があります。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。

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