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税務処理の基礎知識

収益・売上原価・棚卸資産で困ったとき③仕入に含まれる費用と計上のタイミング

購入した棚卸資産以外の費用は、仕入に含めることがあるのか、またどこまでが仕入で、どこからが販管費なのか区別がわからないといった悩みをお持ちの方もいるのではないかと思います。

◎仕入に含まれる費用の考え方

棚卸資産を購入して仕入れた場合、その取得価額には、購入のために直接かかった費用以外に、消費、または販売するために直接かかった費用が含まれます。
原則として、次の3つの額の合計になります。

 ①購入代価
 棚卸資産を購入したときの代金です。
 ②購入のためにかかった費用
 引取のための運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税などです。
 これらは棚卸資産を仕入れる際に発生したもので、外部付随費用ともいっています。
 ③付随費用
 買入事務費、検収費、整理費、選別費、手入れ費、移管費、保管費など
 これらは仕入れた後に発生したもので、内部付随費用ともいわれます。

②の購入のためにかかった費用と、③の付随費用は、売上原価に算入されるので、損金としますが、その商品が期末に在庫として残っていると、この金額はその事業年度の損金にはなりません。
また、③の付随費用については、その金額の合計が仕入代金の3%以下の場合は、仕入原価には含めず、費用として処理することができます。

◎仕入代金の計上のタイミング

原則として、仕入を計上するのは、①入荷した日(入荷基準)、②入荷した商品を検収した日(検収基準)のいずれかとすることとなっています。
しかし、実際には、当期内では、③請求書の届いた日(請求基準)や④支払いを行った日(支払基準)を適用している会社もあります。
ただし、税務上でみると、請求基準や支払基準は適切とはいえません。
たとえば、期末間近に商品を仕入れた場合、請求書は当期内に届いたとしても、実際に商品の到着が翌期にずれこんでしまうこともあるからです。

上記のようなケースでは、請求基準で仕入を計上しても、仕入れた商品は期末の在庫には含まれていないことになりますね。
商品は到着していないので、倉庫に在庫はありません。
ですからうっかりして、未入庫の在庫を仕入原価に含めてしまい、仕入の過大計上にもなりかねないのです。

つまり、決算月の仕入については、入荷基準もしくは検収基準で計上しなければならないということ。
決算期末と翌月の売上、仕入、在庫の関係を把握し、適切な対応をすることが大切ですね。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。

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