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消費税と経理実務

消費税の「税抜経理処理」と「税込経理処理」を比較する

消費税の経理処理には「税込経理処理」と「税抜経理処理」の2つの方法があります。免税事業者は税込経理処理しか適用できませんが、課税事業者はいずれかの方法を選ぶことができます。それぞれのケースによって有利・不利があり、またはどちらかに限定されることもありますので、今回はケース別にこの2つの方法をご紹介します。

◎税抜経理処理について

<会計ソフトを利用しよう>
税抜経理処理とは、本体価格と消費税を別にする方法です。取引ごとに預かった消費税、支払った消費税を計算し、記帳して集計する必要があります。取引金額から消費税を抜き出し、「仮受消費税」や「仮払消費税」で処理するのは手間も時間もかかります。処理が大変な税抜経理処理には、会計ソフトを利用するのがオススメです。税込価格を入力すると自動的に仮払消費税や仮受消費税を計算して処理してくれるため、効率的に処理ができますよ。


<建設業なら税抜経理処理が原則>
建設業等で公共工事の入札等を行う場合には、税抜経理処理を適用しましょう。なぜなら、公共事業の入札申請時には税抜経理処理を行った決算書を添付しなければいけないからです。たとえ普段簡易課税方式を採用していても、この場合は税抜経理処理を採用する必要があるので注意が必要です。

◎税込経理処理について

<注意点>
税込経理処理は利益額が多くなるので注意が必要です。なぜなら月次の経理処理の段階では消費税法税額の経理処理がされていないからです。税込経理処理も消費税納税額の経理処理をすると、消費税納税額は経費とされるので、この時点で税抜経理処理の利益と一致しますよね。よって税込経理処理は消費税納税を経理処理するまでその分利益が多くなるということなので、それを考慮して利益額を把握する必要があります。


<簡易課税方式なら税込経理処理が原則>
税込経理処理とは、消費税を含んだ金額で処理する方法です。簡易課税方式で申告する場合は税込経理処理がいいでしょう。簡易課税は課税売上高を把握しておけば「預かった消費税」も「支払った消費税」も計算ができるため、支払った消費税を仮払消費税としてわざわざ区分処理する必要はありませんよね。手間のかからない税込経理処理を採用するのが吉です。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。

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